いま、世界のトップを争うプレーヤーたちは、いったいどんなクラブを使っているのか?気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。選手の実使用クラブを打つのは難しいですけど、「レプリカ」ならば、近いスペックで組み上げることができるんです。

トッププロと同じモデルのヘッドと、近似スペックのシャフトを組み合わせて「レプリカ」のドライバーを作成し、試打するという企画です。

コブラ・KING LTD × マトリックス・スピードルールズ Cタイプ 70(TX)

ジェイソン・デイ、ジョーダン・スピース、ローリー・マキロイの「ビッグ3」に負けず劣らずの人気、実力を誇るのがリッキー・”ユタカ”・ファウラー。日系人のタナカユタカさんを祖父に持ち、自身のルーツを非常に誇りに思っていることで知られるファウラー。祖父の名前を左腕に刻んでいるほどなのです。

小柄ながらパワフルなドライバーショットと、チャンスと見るや攻めまくるアイアンショット、プレー中に見せるガッツなど、米国ファンのハートを鷲掴みにしています。

そんなファウラーの使用するドライバー、ヘッドはコブラのKING LTD。

画像: リッキー・ファウラー実使用クラブ。2016年3月撮影

リッキー・ファウラー実使用クラブ。2016年3月撮影

ヘッドについて、詳しくはコブラゴルフのページをチェックしてみてください。

重心深度は非常に深く、重心距離も長め、フェース面上のスウィートスポット高さをフェース高さで割った「低重心率」は59.4%と、低重心の部類に入ります。フェースの返りやすさを示すネック軸回り慣性モーメントは非常に大きく、真っすぐ動きたがるヘッドということができます。

ヘッドの特性としては、ピンのドライバーに近いということができるでしょう。フェースのローテーションを変えて球筋を打ち分けるというよりは、スウィングの軌道を気にしながら、ヘッドを真っすぐ動かすスウィングに合いそうです。

画像1: コブラ・KING LTD × マトリックス・スピードルールズ Cタイプ 70(TX)

シャフトは、マトリックスのプロトタイプ。むむむ……( ? _ ? ) このシャフトについては皆目見当がつきません。ここはおとなしく、マトリックスシャフトに聞いてみました。「ファウラーのこれ、市販品でいうと、どれに近いですか??」

ということで、回答をいただきました。このプロトタイプは、スピードルールズCタイプというモデルがベースになっているようです。

スピードルールズはA、B、Cと3つのタイプがありますが、Cは最も安定感を求めたモデルです。

70グラム台のTX。ちょっと振ってみたところ、ちっとも動きません……。50m/s超えのヘッド速度で振るプレーヤーがヘッドの暴れを感じないような特性なのでしょう。

画像2: コブラ・KING LTD × マトリックス・スピードルールズ Cタイプ 70(TX)

激重ヘッドだから短尺が正解

画像: 激重ヘッドだから短尺が正解

ヘッドはこんな形をしています。奥行きが深く、ということは重心も深く、ボールを上げてくれそうな、オニギリ型のシェイプですね。

このKING LTDのヘッド重量は、市販モデルとしては”ウルトラヘビー級”の208グラム。非常に重いヘッドのため、長めに組むことはできません。

ファウラーもおそらく短めに組んで使っていることでしょう。情報筋によると、ファウラーのクラブ長は44.5インチらしいので、市販のKING LTDとスピードルールズCタイプ 70TXを44.5インチで組み合わせてみました。

クラブ長さ 44.5インチ
クラブ重さ 337グラム
スウィングウェート D7
シャフトの振動数  276cpm 

ということで、ファウラーレプリカの完成です。長さはみなさんのクラブより短く、結構重く、だいぶ硬く仕上がりました。目を引くのはスウィングウェートがD7!!!!!ヘッドの効きがハンパないんです。先がめちゃくちゃ重くなっちゃいました。ファウラーの実使用クラブのスウィングウェートは不明ですが、おそらくこれに近い数値が出てしまっているものと想像できます。

HS51m/s・谷口拓也プロが試打
これは”新しい打感”ですっ!

組み上がったレプリカを、ヘッド速度50m/sオーバーの谷口拓也プロに打ってもらいました。

「これは、本当に”何もしない”シャフトですね。スウィング中に余計な動きが一切ない。全然返ってこないし、切り返しの前にしなる感じです。リッキーはこういうのが好みなんですね」

「強いて言うなら、手元は軟らかく、先が硬いシャフトです。切り返し後は棒のようになるのが特徴ですね。これは70のTXという、ある意味特殊なスペックなので、もっと軽く軟らかいスペックなら、手元がしなるシャフトが好きな人に合うと思いますよ!」

「ヘッドは、弾き感はあまりなく、かと言ってくっつくでもない、今まで僕が経験したことのない新しい打感でした。スピンが非常に少なく、強い球で飛んで行ってくれます」

「慣性モーメントが大きく、とにかく直進性が強いヘッドだと思いました。こういうヘッドをドーンと振るのが、今のPGAツアーの主流なんでしょうね」

「クラブ全体としては、リッキーのように、切り返しで脱力してその後加速させるタイプに合っていると思います。体で押し込んで行ける人は、このクラブの恩恵を大きく受けられるでしょう」

「切り返しで力を抜いて、体が先行して振れる人にとっては、シャフトが何もしない分すごく楽に打てるクラブだと思います。手に力が入ってしまう人は上手く扱えないので、体で打てるかどうかのバロメーターにもなるのではないでしょうか」

画像: 体で押し込んでいける人には飛距離と方向性の向上が期待できそう。ファウラーの「70TX」にとらわれず、自分に合った重さとフレックスをチョイスしたい

体で押し込んでいける人には飛距離と方向性の向上が期待できそう。ファウラーの「70TX」にとらわれず、自分に合った重さとフレックスをチョイスしたい

飛距離データ

キャリー 283.2ヤード
ボール初速 71.6m/s
打ち出し角 16.0度
スピン量 2673rpm

上達必至のレッスンはもちろん、気になる最新ギアも、さらにマニアックなネタまでしっかり網羅!【月刊ゴルフダイジェスト】

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