最悪の事態を避けるために
ミスショットをして隣のホールに打ち込んでしまった場合、前方の人に危険を知らせるべく大きな声で「フォア~」と叫ぶことは、プレーヤーのマナー。自分が打ち込んだときは、できるだけ早く声をかけなければならないが、他のところから打ち込まれた場合、どうすれば身を守ることができるのだろうか?
ETGS千葉校インストラクターの内海大祐プロに協力してもらい、「フォア~」の声が聞こえてから何秒後に着弾するのか調べてみた。
【実験方法】ドライバーを計測。今回はコースで起きる危険球の場面に合わせ、「フォア~」の声がかかるインパクトから1秒後にタイムの計測を開始。
ドライバー(距離250Y)は「3.8秒」
ドライバーは3.8秒で着弾することが判明した。隣のホールやブラインドになっているティグラウンドから打ち込まれることが多い。着弾まで時間があるので、その間に身を守ろう。
「ドライバーの3.8秒というと余裕があるように感じるが、すぐに防御の姿勢をとらないとボールが届いてしまう。プレー中は常に周りに気を配ろう。その上で『まずは頭を守ること。これが重大事故を防ぐ第一歩。『フォア~』掛け声の方向を探して頭を下げることが一番危険です」と、内海プロはアドバイスをしてくれた。
「とにかく頭を守る!」を徹底しよう
「フォア~」の声が聞こえても、聞こえた方向を見ないのが鉄則。顔に当たる可能性大だ。「フォア~」の声がかかると、つい声の方向を探しがちだが、それはボールが顔に当たる危険性を高めるだけ。絶対に顔を上げてはいけない。
もし「フォア~」の掛け声を聞いたら、すぐに身を守る姿勢をとること。しゃがんで体をまるめ、クラブを置いて両手で保護する。
危険球から身を守るにはキャップがオススメ。仮にボールが当たったときでも、頭への衝撃を少しでも和らげてくれる。これからの時期キャップをかぶりたくないと思うゴルファーもいるかと思うが、万が一に備えてかぶるのが吉。
キャディ歴33年 高野京子さんの「フォア~」講座
「シンプルに『フォア~』がいい」と話すのは、キャディ歴33年の積み重ねがあるからだ。ホール名をいうこともあるけれど、「フォア~」だけのほうが伝わるとのこと。そして「ア~」をできるだけ強く伸ばすと、遠くまで声が届く。また、腹から出した声よりも高めの声で叫んだほうがよく通って気づきやすいかもしれない。
「コースで『フォア~』の声が聞こえたら、すぐにプレーやめて、身の安全を図ってください」と、高野さん。打球事故を防ぐ心得を身につけて、楽しく安全にゴルフを楽しもう!
(月刊ゴルフダイジェスト2014年9月号より抜粋)