「飛ぶ」と評判のピン「Gシリーズ」はやはり飛ぶ!?
2本とも月刊ゴルフダイジェストの名物企画「D-1グランプリ」2016年大会では、予選を通過したドライバーだ。とくに「LSテック」は準優勝した実績を持つ。「Gシリーズ」のノーマルモデルは以前打ったことがあるが、「LSテック」と「SFテック」は今回が初めて。その違いをあぶり出してみよう。
球が強くて重い「LSテック」
まずは、「D-1グランプリ」準優勝クラブ「LSテック」から試打。このモデル、実は今年のD-1グランプリの決勝トーナメント1回戦で「SFテック」と激突し、“ピン兄弟対決”に勝利している。
構えてまず目に飛び込んでくるのが、クラウン部分の「タービュレーター」。もうこの「タービュレーター」はご存知の方も多いと思うが、空気抵抗を軽減させる効果がある。あと、この模様はピンが意図していたかどうかは分からないが、「方向性」が出しやすい。出球をイメージしやすいということだ。
では、打ってみよう! 「キンッ」という高い金属音がして、打感はやや硬い印象を受ける。このクラブはなにより、弾き感が抜群にいい。フェース全体、ヘッド全体ではね返している感じだ。強く叩きにいっても、当たり負けすることなく、ボールにパワーを伝えてくれる。
打ち出されたボールには“強さ”もあるが、低スピンで、むしろ“重い”という印象の方が強い。弾道は「ライナー性」だから、ランの飛距離も期待できる。このクラブはいわゆる“つかまるモデル”ではないが、ヘッドスピードのある方は9度のロフトを調整機能を使って寝かすことでつかまりをよくすることもできる。
思い切り叩いても、吹き上がることなく前にボールを飛ばしてくれる。さすがの飛距離性能だ。スピン量をもう少し抑えたい人、球が上がり過ぎて飛距離をロスしている人には、おすすめのクラブだ。
ピン社の発表ではノーマルモデルに比べて、400回転の低スピンになるそうなのでスピン量が多すぎて曲がる方や高く上がる方には試してみる価値があるぞ。
スライサーも真っすぐ飛ぶ!「SFテック」
続いては、「SFテック」だ。このモデルも「D-1グランプリ2016」で決勝トーナメントまで勝ち進んだ実力を持つ。
見た目は「Gシリーズ」3モデルに共通することだが、投影面積が大きくて構えやすい。ヘッドの大きさと相まって、ロフトもさっきの「LSテック」より1度寝ている10度だからか、フェース面が見えて安心感がある。
試打をしてみると、「バシッ」という打音で、打感は「Gシリーズ」の中では一番軟らかく感じる。少し“マイルド”になった印象も受ける。もちろん弾き感は「LSテック」と変わらずに、つかまり度はアップ!
打ち出しが高くてボールがつかまるので、「LSテック」同様に飛び方に力強さがある。スピン量は「LSテック」に比べると多い印象で、打出しから上がるというよりは、バックスピンの揚力で球も上がってくれる印象だ。
ウェートが若干ヒール寄りに配置されているから、ヘッドを返しやすい。またシリーズの中では一番「スウィングバランス」が軽いモデルだから、振りやすい。この辺もつかまる要因のひとつだろう。
このモデルは「球の上げやすさ」と「つかまり」はシリーズイチ。スライスに悩んでいる人、スピン量が足りずに球がドロップしてしまう人にはおすすめのクラブだ。