「お答えしましょう。確かにゴミ箱にゴミを入れるときの距離感というのは、誰もが持っていますよね。無意識で『大体このぐらいの距離』と思って投げるわけですから。その感覚って実はウェッジを持ってポーンと無心で打つ感覚と同じなんです」(深堀プロ)
では、その感覚をアプローチに生かす方法は?
「まずはその自分の“無心の距離”が何ヤードなのかをチェックする必要があります。そこから距離を足し引きしていくのがアプローチ上達への近道なんですよ」(深堀プロ)
そこで今回は深堀プロに「距離感の出し方」をレッスンしてもらった。
距離感は「無心のSW」を基準に考える
まずは基準となる距離をチェック
「クラブはSW(サンドウェッジ)を使います。何気なくクラブの重みでポーンと振ると、自然と振り幅は「胸から胸」でクラブが収まります。ポイントは短いクラブでも足はしっかりと動かすということ」深堀プロの場合、このショットで距離は50ヤード。これを基準に距離を足し引きする。
40ヤードの場合
「40ヤードは基準の50ヤードから10ヤードを引いた距離。振るスピード感は、50ヤードのときのままで、振り幅を「腰から腰」に落とすだけです。スピード感を落として、緩んでしまうことが一番いけません」
60ヤードの場合
「60ヤードは、基準の50ヤードに10ヤードを足した距離。50ヤードが「胸から胸」なら、60ヤードはそこから肩の高さまで振り幅を大きくします。引く場合と同様に、スピード感は50ヤードのときと同じです」
70ヤードの場合
「70ヤードは基準の50ヤードから20ヤードを足した距離。60ヤードと同じ「肩から肩」の振り幅でスピード感を少し上げます。気をつけるのは、手先ではなく体の回転で速度を上げるということ。自然とフォローが大きくなります」
「ボール投げ練習」で距離の引き出しを増やそう
深堀プロがよくやるアプローチ練習法が「ボール投げ」。目標に向かって手でゴルフボールを投げ、距離感を養うことができる。転がしたり、上げたり弾道をイメージしながら投げることが大切だ。
今回深堀プロがレッスンしてくれた「距離感の出し方」。最も大事なのは、「基準となるショットを一定にする」ということ。基準となるショットがバラバラでは、そこから足し引きしてもアプローチ上手には遠い道のり。皆さんもぜひ、“自分のベース”の距離を作り、距離感を磨いてみてはいかがだろうか。