ギア(道具)が進化するとともに、それを使う選手は、そのクラブで最大限の飛距離を出そうと、スウィングを変化させていきました。すなわちギア進化の歴史は、同時に、スウィング進化の歴史でもあるのです。

曲がるパーシモンから曲がらないチタンへ

70年代後半、カーボンシャフトが普及して、ドライバーの軽量化が始まりました。しかし、スウィングとともに飛距離につながる進化は、90年代まで停滞していました。これは“長尺化”できるヘッドの進化が遅れていたからです。

80年代後半、ヘッドが小さく、打点のズレると大きな曲がりを生むパーシモンから、曲がり幅が少なメタルに移りました。しかし、メタルヘッドで飛ばすには、高いミート率が必要でした。そこから慣性モーメントが大きく平べったい大型メタル、チタンヘッドの登場を経て、スウィング技術も大きく変化しました。

今回は、「スウィングの進化」について、1970年代から90年代の代表的な選手のスウィングを考察しました。

“飛ばし”のスウィング年表

1970‐80年代 典型的なアップライトスウィング ジャック・ニクラス

この時代の代表的な選手といえば、やはりジャック・ニクラス。“アメリカン打法”として一世を風靡し、スクェアヒットを重視したスウィングでした。

ジャック・ニクラス

スウィングの特徴は、左手甲とフェースの向きをシンクロさせ、ニーアクションによるスライドでスクェアゾーンを長く保ちました。フライングエルボーでタテに振り、スクェアにヒットさせるために、フェースターンは極力抑えていました。

1990年代 ボディターンスウィングで世界を獲った ニック・ファルド

ヘッドがパーシモンからメタルに変わったこの時代。ニック・ファルドは、旧型のスウィングからの改造に成功し、マスターズ、全英オープンでそれぞれ3勝挙げました。

ニック・ファルド

特徴は、体に負担の大きいスライド動作とタテ振りを抑え、オンプレーンを意識することでミート率をアップさせていたということです。スウィング軸とヘッド軌道を安定させることで、右手で積極的に叩いても打点が狂わない、“ボディターン”打法のお手本のようなスウィングです。

年代ごとに代表的な選手のスウィングを考察すると、それぞれに飛ばすための工夫が見られて面白いです。

次回は2000年以降の選手をご紹介します。

HONMA

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