先日、PGAが主催する2015-2016シーズンの「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」が発表され、ダスティン・ジョンソンが選出されました。この賞は、PGAで活躍する選手たちの投票によって決まる、すなわち“最も同僚から認められた人”ということです。そこで今回は、「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」の過去5年の歴代受賞者から当時のツアー背景を振り返ってみましょう。

2つの「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」

歴代受賞者を振り返る前に、実は、アメリカのゴルフ界には「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」が2つあります。1つは、全米プロ選手権やライダーカップを主催する全米プロゴルフ協会(PGA)が授与するもので、1年間の獲得ポイントで決まります。そしてもう一つが、今回ダスティン・ジョンソンが受賞したもので、PGAツアーから贈られます。「ツアーで活躍する選手を自ら評価したい」として、1990年に創設されました。では、過去5年の受賞者を振り返りましょう。

2011ー2012シーズン ローリー・マキロイ

画像: 12年 全米プロ

12年 全米プロ

この年受賞したのは、ローリー・マキロイ。全米プロゴルフ選手権を含むツアー4勝を挙げ、欧州ツアーでも最終戦「DPワールドツアー選手権 ドバイ」で優勝するなど大躍進しました。当時23歳だったマキロイの受賞は、1997年に21歳で受賞したタイガー・ウッズに次ぐ若さ。未来の大スター誕生を予感させるシーズンとなりました。

2012-2013シーズン タイガー・ウッズ

画像: 13年 ザ・プレーヤーズ選手権

13年 ザ・プレーヤーズ選手権

この年受賞したのは、タイガー・ウッズ。これが11度目の受賞となりました。マキロイやファウラーの台頭で、“世代交代”がささやかれ始めたシーズンでしたが、それに待ったをかける活躍ぶりを披露。5年ぶりのメジャー制覇はなりませんでしたが、シーズン5勝を挙げ世界ランク1位に返り咲きました。

2013-2014シーズン ローリー・マキロイ

14年 全英オープン

2度目の受賞となったマキロイ。複数回受賞したのはタイガー・ウッズ、グレッグ・ノーマン、ニック・プライスに続く史上4人目の快挙でした。前年は未勝利に終わっていたマキロイでしたが、この年は、「全英オープン」、「全米プロ」のメジャー2勝のほか、WGCブリヂストン招待にも勝ち、世界ランク1位にも返り咲きました。

2014-2015シーズン ジョーダン・スピース

画像: 15年 マスターズ

15年 マスターズ

この年、「マスターズ」と「全米オープン」のメジャー2勝を含む、ツアー5勝を挙げたジョーダン・スピースが受賞しました。当時22歳だったスピースは、先述の1997年に21歳で受賞したタイガー・ウッズに次ぐ若さでした。この年は、フェデックス年間チャンピオンにも輝き、賞金総額は、2200万ドル(約26億5000万円)を超えました。

2015‐2016シーズン ダスティン・ジョンソン

画像: 16年 全米オープン

16年 全米オープン

そして今年は、ダスティン・ジョンソンが受賞。「全米オープン」でのメジャー初制覇を含む、ツアー3勝を挙げる活躍でした。「こんなにうれしい賞はない」と、“仲間たちから選ばれた”同賞に、喜びもひとしお。ダスティン曰く、「ボクのゲームはまだまだたくさん伸ばせるところがある」と、さらなる飛躍を誓っていました。

過去5年の受賞者を振り返って見ると、2014-2015シーズンのジョーダン・スピース以外は、いわゆる“飛ばし屋”として名を馳せる選手たち。飛ばせることが有利なのは、言うまでもありませんが、その傾向が顕著に現れる結果となりました。

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