開催中のダンロップ・フェニックス2日目、9番ホール終了後に腰痛を理由に棄権したジャンボこと尾崎将司。この試合が自身にとっての2016年最終戦だったジャンボが、インタビューで「重大な局面に立たされている」という言葉を残した。その意味は……?
腰の状態を問われ、「重大な局面に立たされている。一番の原因は狭窄からくる神経圧迫の状態が10年続いていること。トレーニングしても痛くなるから、10年間の下半身の衰えが大きい」と語ったジャンボ。
「治療法はないんだわ。強くすること以外ないんだけど、それも年齢的に無理なんだよ」と、プロ通算113勝の男を悩ませてきた痛みとの闘いには、先が見えないのが正直なところなよう。去就に関しては「オフにゆっくりと今年は考える」という言葉を残し、コースを去った。
昨年プロテストに合格し、今年はツアー競技にも参戦した中井学プロは言う。
「ジャンボさんの場合、練習場で打っている球は本当に素晴らしいんです。お世辞抜きで、その辺の若手よりもいい球を打っている。だからこそ、諦めきれない理由がよくわかります。ただ、ご本人もおっしゃっているように、歩くのがとにかくキツいのだと思います」
「考えてみてもらいたいのは、もうすぐ70歳になる方が、トーナメントの緊張感の中で、週に3日、4日と歩きのゴルフをしているだけだけでも凄い、ということ。永久シードは選手が勝ち取った権利なわけですから、進むも退くもご本人次第だと思います」
いまも飽くなき探究心で練習を続け、最新のギアをチェックするジャンボ。練習場で打つ球と、コースでのギャップは本人も「練習場の姿とコースの中の姿は“別人28号”だから」と自嘲する。
いまだ衰えぬショット力と、思うようにならない体。ジャンボ尾崎69歳は、今まさに重大な局面を迎えている。2017年、ジャンボの姿を再びツアーの舞台で見ることはできるのだろうか。