まずはおさらい。「我孫子流」とはなんぞや⁉︎
林由郎が創始した「我孫子流」とはなにか?
もともとフック打ちであった林は、関東プロでの初優勝の後に行われたエキシビジョンマッチで戸田藤一郎と中村寅吉、宮本留吉とプレーした際に左足下がりのライから、なんと空振りをした。その時にグリップの持ち方でフック、スライス、ストレートを打ち分けることを宮本留吉から教わり、我孫子GCの左足下がりのライで練習してフェードボールを得とくしたという
その後の活躍から、プロになりたい若者が林の元に教えを乞うようになり「我孫子一門」、その教えを「我孫子流」と呼ばれるようになった。
祖父・林由郎、父・林由一とプロゴルファー3代目の林由寿
今回紹介する林由寿プロは、父もプロゴルファーというプロ一家に育ち、祖父の教えを守りながら年間200ラウンドを越えるラウンドレッスンを開催する大人気のティーチングプロである。
伝説のゴルフ流派・我孫子流。その創始者の孫のレッスンは、きっと「ネオ・我孫子流」とでも呼ぶべきものになっているはず。さっそく話を聞いてみよう。
パターで50ヤード打ってみよう
早速、どんなレッスンなのか取材スタート。すると「では、まずパターで50ヤードを打ってみましょう」。ご、50ヤードをパターで⁉︎ それにどんな意味があるのだろうか?
「パットのストロークを大きくしたものがスウィングだと私は考えています。この50ヤードには、スウィングの重要なポイントが詰まっているんです」(林由寿:以下同)
やってみるとこれがなかなか難しい。50ヤード打とうとすると、パターでもダフってしまうこともある。
「リストを使わずに、ストロークだけで転がすのがコツです。リストを使うとダフってしまうことが多く50ヤード転がすのは難しいんです」
「具体的には、テークバックで右肩、ダウンからフォローにかけて左肩を上げる、肩の上下運動を使ったストロークで振ることで、スウィングの軌道、スウィング中のフェースの開閉、入射角の3要素をしっかりと確認します。この3要素は、パットでもショットでも同じです」
「イメージ的には『ブランコ』です。ヘッドの動きに自分の動きをシンクロさせる。そういう感覚でストロークできるといいですね」
なるほど~。50ヤードのロングパットなんて全英オープンでしか見たことないし、もちろんやったこともない。ここにスウィングの基本が詰まっていたのか!
テニスラケットでプレーンを確認
次に出てきたのはテニスラケット。「ラケットの面を意識することで体の向きがよくわかります」と、ラケットとパターを一緒に握って素振りを開始。ムムっ。これなら体が変な方向に動いてしまったらすぐわかるし、正しい動きのイメージもつかみやすそうだ。
テニスラケットでパット練習なんてやったことはない方がほとんどだと思うが、お持ちの方はぜひお試しを。ラケットの“フェース”部分を抱えるようにして持ってホールドし、パターをグリップして打つ。
パットのストロークに足踏みを加えるとショットになる
「そろそろパットの動きをショットにつなげていきましょうか。50ヤードのパットに、足踏みを入れてみてください。おへその向きが足踏みに連動して動くのがわかるでしょうか? パッティングのときの肩の上下運動に、足踏みによるおへその左右への動き。両者が組み合わさると、自然とインサイドインの軌道でクラブが振れるようになるんです」
ふむふむ。スウィングは「足踏みをしながらパッティングのストロークをする感覚」ということか!これはイメージがわきやすいし、部屋の中でも実践できる……でもちょっと待った。すごくわかりやすいけど、なんとなく我孫子流の匂いがしないぞ⁉︎ と思っていたら……
「では、続いてバンカーに行きましょうか」
と林プロ。我孫子流といえばバンカーショット。ついにネオ・我孫子流の全貌が明らかになるか?次回を?お楽しみに