PGAツアー公式ツイッターでは、復帰戦を前にアプローチやパッティングを練習するタイガーを動画で紹介している。
復帰前は「アプローチに問題を抱えているのでは?」という噂もあったタイガーだが……この映像を「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修に解説してもらった。
ショートゲームの不安もなく“戦える状態”に仕上がっている
「動画を見る限りでは、2015年にあったショートゲームへの不安は感じません。腰の状態もかなり回復しているように見えます。チッピングやパッティングの練習は腰へかなりの負担がかかるのですが、それを難なくこなしているあたり、相当なトレーニングをしてきたのではないでしょうか」(中村、以下同)。
中村によれば、あくまで「練習では」という前置きは必要だが、“戦える状態”にまでタイガーは戻ってきているという。体のコンディションはいいとして、アプローチの技術面はどうだろう。
「まず、クラブの動きにゆるみがありません。さらに、インパクト前後でシャフトの傾きが変わらず、まるで平行移動しているように見えます。そのことで入射角と打点が安定しているし、スピンコントロールができています」と語る。
ロングゲームに関してはどうか。すぐに消されてしまったが、大会前にタイガーがジャスティン・ローズと練習ラウンドを共にした際、テーラーメイドの「M」シリーズと思しきドライバーを打っている動画がネットにアップされたことがある。
そのスウィングからは以前のようなボールをねじ伏せるようなものとは異なり、クラブの性能、ボールの性能に任せて、高弾道で曲がりの幅の少ないショットを打とうという意図が見てとれた。長らく洋ナシ型で操作性の高いヘッドシェイプを好んできたタイガーが、Mシリーズのような直進性の高いモデルにチェンジした(あくまでテストかもしれないが)ことは、タイガーの“モデルチェンジ”を物語るのかもしれない。
ただ、以上はすべて“練習では”という注釈がつく。世界ランク上位17人とタイガーの総勢18選手が出場するハイレベルな試合の本番で、どれだけのパフォーマンスが発揮できるかは、試合が始まってみないとわからない。
だが、プレッシャーの中で最高なパフォーマンスを披露してこそのタイガー。その一挙手一投足、1ショット1スウィングに、世界が注目している。
※2016年11月30日 誤字を修正しました