コースをあげて“とんぼ推し”してくれていた!
鹿児島県の離島“トカラ列島”出身の少女・とんぼが、その天才的なゴルフの腕前とともに広い世界へと飛び出していく、というのが「オーイ! とんぼ」のあらすじ。そのとんぼが初めて出場した試合が、2017年2月14日現在、佳境を迎えている九州女子選手権だ。その試合の舞台が、今回訪れた熊本の名門コース「くまもと中央CC」だ。
コースに到着してまず目を奪われるのが、フロント近くに設置された「オーイ! とんぼ」コーナー。なんと連載のスクラップが展示されている。ありがたい限りだ。
現在優勝争い真っ最中。18番ホールはこんなトコ!
くまもと中央CCを設計したのは、「東の井上(誠一)、西の上田」と呼ばれ、日本を代表するコース設計家の一人と謳われる名匠上田治。“剛の上田”とも呼ばれ、ダイナミックなコース作りに定評がある上田の設計らしく、くまもと中央も雄大なコースに仕上がっている。
その最終18番ホールはレギュラーティから364ヤードのパー4。広々としたホールロケーションではあるが、このホール、とんぼは初体験となる優勝争いのプレッシャーから、ティショットを大きく右に曲げてしまう。
とんぼのボールは隣の5番ホールのラフまで飛んでしまう。およそ、下の写真のような状況だ。
上の写真の右側に見えるのが5番フェアウェイ。左側に見えるのが18番フェアウェイだ。両ホールは高い木々でセパレートされていて、グリーン方向は狙えない。木々が密集していることから、18番ホールに戻すのも厳しいという状況だ。
とんぼは現在3人並んだトップタイ。もう1打も落とせない状況だ。ここからとんぼが「ある選択」をしたのが2月7日発売の週刊ゴルフダイジェストに掲載の119話の内容。
とんぼのスーパーショット、どれだけすごい?
とんぼの選択は、まさかの「大フックを打って18番グリーンを直接狙う」というもの!(ここから先は、2017年2月14日発売の週刊ゴルフダイジェスト掲載の120話の内容に触れますので、ご注意を)
とんぼは見事2オンに成功。絶体絶命のピンチをチャンスに変える。この一打を、グリーン方向からも見てみよう。
ほとんど「真右」に打ち出したボールが、ブーメランのような軌道を描いてグリーンに落ちた感じ。現地に立って見てみると、「自分じゃ絶対ムリだけど、とんぼだったらあるいは……!」と思わせられる、絶妙な一打。
ライバル・つぶらが似たような状況からどんなショットを放つのか、121話が楽しみだ。ステディなプレーが身上のつぶらだが、ここはギャンブルショットが必要な状況でもある。彼女の選択は、果たして。
エマのショットの行方はどうなる……!?
121話が楽しみといえば、同じくライバルのエマのショットの行方だろう。古傷が痛むエマは、とんぼとは逆に左の林の中に打ち込む。ボールは管理道路の上だ。
エマのボールは管理道路の上で止まっていた。その現地に行ってみると、それはこのような状況であった。
画面奥のグリーン方向は見事に木が密集している。はっきり言って一度横に出すしかない状況なのだが、エマはトップグループと1打差で、勝つためには最終ホールでバーディが必須。どんなショットを選択するのか、うーん、気になる。
最後に、勝負の行方を占うとんぼのバーディパット地点へも足を運んでみた。カップは赤く囲んだ部分に切られている設定。かなりの下り傾斜であることが写真から伝わるだろうか。距離はさほどないものの、カップまで下り傾斜が続く厳しいライン。パンチが入ればグリーンの外まで行ってしまいそうな、そんなラインに見える。
勝負の行方を大きく左右するとんぼのパットは入るのか、それとも……!?
18番グリーン奥には「ゴルフ鎮守山の神」が鎮座する。山の神が微笑むのは、果たして誰か。そんなことを考えながらプレーすると、ますます楽しめる。とんぼファンは、くまもと中央CCに“聖地巡礼”してみてはいかがだろうか。