デイ、ガルシアなど海外選手には「M1」が人気
2017年に発表された新しいMシリーズが海外で勝利を重ねていることが話題だが、勝者のバッグに入れられているのはドライバーだけではない。フェアウェイウッド、とりわけスプーンの評価が実は高いのも、Mシリーズの特徴なのだ。
有名どころでいうと、松山英樹は優勝したフェニックスオープンで「M2」のスプーンを使用。同じく欧州で勝利を収めたセルヒオ・ガルシアは「M1」のスプーンを使用。期待の若手であるジョン・ラームや記事執筆時点で世界ランク1位のジェイソン・デイも「M1」を使っている。
やさしさで選ぶなら、俄然「M2」だ
どちらかというと、海外のトッププロには「M1」が人気のようだが、実際に構えて打ってみた印象はどうか。みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修は、こう断言する。
「私はM2を勧めます。松山英樹プロは、基本的にスプーンに“やさしさ”を求めるタイプのプレーヤー。その彼が選んだだけあって、非常にやさしい顔をしています。具体的には、ヘッドサイズが大きシャローに見えて、構えたときに安心感があります。フェースが黒、ヘッドの前側が白、後ろが黒という色のコントラストにより構えやすく、写真だと分かりにくいですが、ロフトもしっかりと見えて、ボールが上がりそうに感じられます」
中村によれば、打った印象も構えたときの印象を裏切らず、ボールが上がりやすく、低スピンで直進性が高く曲がりにくいそうだ。Mシリーズのドライバーはプロモデルだけあって、必ずしもアベレージゴルファーに無条件で勧められるクラブではないが、このスプーンはドライバーより幅広い層が使いこなせるクラブになりそう。
見た目が「難しくない」と、スウィングに悪影響が“出ない”
「見た目がやさしいメリットは、安心感をあたえてくれる以外にもあります。無理に上から打ち込もうとしたり(写真上右)、ボールを上げようとしてアオったり(写真上左)しなくて済むので、スウィング的に無理がなくなってくるんです」(中村)
「M2スプーンは、無理にあげたり打ち込んだりせず、構えたところに戻すだけで勝手にボールが上がってくれます。球の高さと飛んでいく弾道が、風に強く飛距離も出ているように感じました。あくまでプロモデルなので、弾き感がありつつ締まった打感なのも好印象です」(中村)
もちろん世界のトップ選手が愛用する「M1スプーン」の性能の高さは疑いようがない。ウェートを移動させることでつかまりをコントロールできるし、ネックの調整機能でフェースの向きやロフトも“いじれる”。ただ、構えたときの安心感と、その印象を裏切らない「M2スプーン」は、より多くの人が良さを実感できるクラブだと言えそうだ。