「このアイアン、いい顔だね」ゴルファーならこんな会話をしたことが誰しもあるもの。でも「いい顔って、なに?」と聞かれたら、みなさんは答えられるだろうか? そこで、ゴルフ界のレジェンド・青木功プロに、アイアンの「いい顔」とはなにかを聞いてみた!
「実はボールとのマッチングなんだよ」
「一言に“顔のよさ”っていうけれど、実はボールとのマッチングなんだ。昔の糸巻きバラタボールは回転数を抑えないと飛ばないから、飛ばすためにフックフェースに構える。その際にトッププラインのトウ側を少し削って逃げ顔にすることで自分のイメージの中で『そんなにつかまらない』と思い込めて、叩けてたんだ」(青木、以下同)
イメージ通りのボールが打てるのが“いい顔”
「俺やジャンボはグースが好きだけど、これもイメージの問題なんだ。コントロールするのには、球離れが遅いことが重要だった。グースだとボールとのコンタクトも遅れるし、球持ちがいい。だからコントロールしやすかったんだ」
「でも、それもボールの問題があって、今の選手はスピンがかかりにくいボールで、低スピンのほうが飛ぶから、いかにコンタクトを早くするかを考えるようになった。だからストレートネックのほうがいいということになる。どっちがいい悪いという問題ではなく、そういう流れだってこと。
今使っているクラブも少しだけどグースにしていて、イメージ通りの球が打てれば、それが“いい顔”ってことになる。つまり、理屈があって“いい顔”が生まれるし、またイメージがわかないと“いい顔”ってことにはならない。プロはそうやって作っていくんだよ」
アイアンのいい顔、それは自分のイメージ通りの球が打てるかどうか。レジェンドらしい、実に含蓄のある言葉だ。
この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2017年5/23号の特集「『いい顔してるね!』アイアンの目利きはここを見る」の一部。プロたちの“目利き術”や、アイアンの歴史、現行モデルの「顔カタログ」などが掲載されている。アイアン好きは、ぜひチェックしよう!