5ミリピッチで反発をテスト。ルール範囲内の「究極のギリギリ」を実現した
さて、ドライバーにはモデルチェンジを機にデザインや性能を大きく変えてくるものと、前モデルの性能を継承し発展させたもの、ふたつのパターンがあるが、今回のプロギア「新RS」は典型的な後者。
前モデルであるRS-Fは「フェースの反発係数に違反しているものが市場に混在している」として不適合となってしまいはしたが、賞金王に輝いた池田勇太がクラブ契約フリーで使用するなどその性能は折り紙つき。その性能を純粋に進化させたのが、今回の「RS2017」だといえる。
「前作に比べて、フェースセンターの反発性能をギリギリまで高め、同時に高初速エリアを広げたことで、オフセンターヒットにも強くなっています。高初速化と高初速エリアの拡大を両立したのが、今回のRS2017になります」(プロギアの石川智一さん)
設計段階で、5ミリピッチでフェースをくまなく約200回反発を計測し、さらに狭い範囲の計測を行う為コンタ図(等高線)を作成し、その分布傾向と最高値エリアを可視化。絶対にルールを守るということと、ルールギリギリの性能を両立させるのがその狙い。
「その結果、フェースセンターの反発性能は前作よりも高く、同時に、その周辺の反発性能もギリギリまで高められたのです」(石川)
プロが発表会場で実際に打ってみた!
さて、ではその性能はどれほどのものなのか。みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修に、発表会会場で“世界最速試打”してもらったので、その結果をお伝えしよう。
まずは「RS-F2017」から。
「ウェートのポジションがトウ側にあるため、つかまり過ぎない。FのFはフェードのFというだけあって。打ってみるとその通り、ストレートからナチュラルにフェードする。引っかけのミスが怖い人には安心して構えられる。56度とライ角がフラットで、フェース角がマイナス3.5度。実際に構えてみるとフェース面がストレートに見えて、非常に構えやすいのもいいですね」(中村修、以下同)
「実際に打ってみても、2400回転くらいのスピン量の中弾道が打てます。打感は非常に軟らかいのですが、それでいて初速は非常に高い。大きいキャリーを稼げる感じがします」
スライス幅が確実に減りそう。「RS2017」
続いて兄弟モデルの「RS2017」。
「Fと比べるとしっかりとつかまります。スライサーにはこちらのほうがオススメ。スウィングを変えなくても、勝手につかまる。スライサーがドローを打てる、とは言いませんが、スライスの幅は確実に減ると思います」
「構えたときの印象は、強い球が出るというイメージ。59度のライ角で球がつかまる印象があり、フェースの見え方も塊感があり、初速が出そうに見えます。打つ、叩くといったイメージが湧いてきます。それでいて、オープン2.5度のフェース角で構えやすさは抜群。オープンフェースなのに右にいきそうな感じのない、いわゆる“いい顔”です」
フェースの反発性能をギリギリまで高めた結果、ルール不適合となってしまった前作の経験に怯えず、さらなるギリギリに挑戦したメーカーの心意気。RS2017とRS-F2017は、それが性能となって表れているようなドライバーだと言えるかもしれない。
キャロウェイのGBBエピックにテーラーメイドのMシリーズ、さらにはミズノのMPと話題のドライバーが次々と現れ、ゴルファーの嬉しい悲鳴が途絶えることなく聞こえてくる“ドライバーの当たり年”2017年に、またひとつ台風の目となりそうなドライバーが登場した!