体の芯を整えるからヘッドに力が伝わる
女子ツアー屈指のショットメーカーである西山は、ダウンスウィングで右ひじを絞り、フォローでは左ひじを抜くように使っている。
「実は腕とか手の意識はまったく持っていないんです。スウィング中のフェース面の管理は大事だと思っていますが、それよりも重視しているのは、体からもっとも遠い位置にあるヘッドにどうすれば力を効率的に伝えられるかということ。体を弾むように縦に使うのではなく、横回転を意識しています」(西山)
腕の動きを意識せず、体の横回転だけに意識を集中させた結果として、インパクトが“五角形”になるというわけだ。たしかに、体の内側を意識するとひじが曲がるのは自然な動き。スウィングで発生した遠心力を受け止めるためには、むしろ自然なカタチだというわけだ。
ポイントは2つ。1つ目は体の面を変えずに回転で振ること。スウィングのベースはあくまでも体の横回転。そこにいかにクラブを同調させるかがポイントで、ヘッドが遅れないような意識も必要。体の面とフェースの面が一致すれば、ヘッドに力を伝えることができる。
2つ目は手先の動きでフェース面を変えないこと。西山にとって手首を返す動きは力が逃げる感じがあるとのこと。それよりも面でしっかりボールに圧力をかける。そのために体の芯の部分に力を溜めている。
体の回転とフェース面を同調させるために、西山がツアー中もつねにやっているのが、3Wでティアップしたボールをクリーンに打つ練習。ヘッドが低く長く動き、体の正面でインパクトできているかを確認するのに効果的で、ヘッドの動きを細かくチェックすることができる。
フェース面をコントロールしようとするため手先や腕に意識がいきそうだが、実は体とフェースの動きを考えることが大事。力を効率よく伝えることができれば飛距離アップ間違いなしなのだ。
この記事は、発売中の週刊ゴルフダイジェスト2017年7/11号の特集「ひじを曲げれば『球』真っすぐ! 五角形スウィング」の一部。本誌では、稲森佑貴や今平周吾ら、“今が旬”の選手たちのレッスンも掲載。ぜひ、本誌をチェックしよう!
写真/岡沢裕行