高いアゴは目線を上げて右軸で!
「アゴが高いバンカーは、目線とスウィング軸で球を高く上げます。アゴの高さまで目線を上げると左肩が上がり、スウィング軸も右に傾きます。もちろん、アゴの高さに合わせてフェースを開きます。右に傾いた重心のまま、スタンスに沿って振るのがコツ。高く上がる分、振り幅も当然『大きくしっかり』です」(芹澤、以下同)

越すべき目の前のアゴの上まで目線を上げる。「目線を上げることで、自然に左肩が上がり、やや右足体重になります」
ポイントは2つ。1つ目は、長い距離を打つわけではないので、重心をしっかり落として構えること。「10ヤードの距離なら、どんなバンカーショットでも重心は低くです」
もう一つは、スウィング軸を右に傾けたまま振ること。目線を上げ、左肩が上がることでスウィング軸が右に傾く。「この軸の傾きを変えないように体の回転で振ります。これでヘッドの入射角がゆるやかになり、高く打ち出せます」

スウィング軸を右に傾けたまま振る
アゴがなければ目線を下げた左軸!
「アゴが低いバンカーは、アゴがあるつもりで打つ方法もありますが、最もミスしにくく、距離感も合わせやすい低く打つ方法がオススメです。目線を低く落とすと、自然とスウィング軸が左に傾きます。言いかえると、左足体重が強まります。この左足体重をキープしたままバンカーショット。フィニッシュも低く抑えられるので、低く安定した球で寄せられます」

目線をバンカーのアゴの上、斜め下に向けることで左肩が自然に下がる。「これで、左足体重になり、低く打ち出す準備が整います」
アゴがなければ低く打ち出すほうが距離感を合わせやすい。「そのため、7:3くらいで左足体重。スウィング中はこれをキープです」
目線を斜め下に取り、左足体重で構えることで、スウィング軸はわずかに左に傾く。「この傾きのまま、体の回転で振ることによって、安定して低く打ち出すことができます」

やや左に傾いたスウィング軸のまま振る
バンカーの状況によって打ち方を少し変えることができれば、バンカーに入ったからといって慌てる必要がなくなるのだ。
芹澤大介(せりざわ・だいすけ)1964年生まれ、東京都出身。日本大学ゴルフ部出身で、ツアーで長年にわたり活躍。現在はシニアツアーにも挑戦中。
写真/増田保雄
(週刊ゴルフダイジェスト2015年8/11号より抜粋)