「左の壁を感じてクラブを振れ!」ゴルファーなら一度は聞いたことがある言葉だが、実は「左の壁」っていったいなんのことだか、実感できているゴルファーは少ない。ただ、この「左の壁」にナイスショットのコツが隠されていることだけは間違いないようだ。そこで、2度の賞金王に輝いたことがある伊澤利光プロに「左の壁」について聞いてみた。
「昔のクラブ」で飛ばすには、左の壁が必須だった
伊澤プロは『左の壁』をどう考えているのでしょう?
「昔のクラブは、下半身主導の体重移動でタメを作り、インパクトで一気に走らせるようにしないと飛ばなかったんです。そのときに『左の壁』を作って、タメてきたヘッドを一気に解放していくのが『壁』の役割だった。でもいまはあまり必要なくなりましたよね」(伊澤、以下同)
それはなぜなのだろう。
「いまのドライバーは長く軽くなったので、ダウンスウィングで遅らせてくるとヘッドが戻ってこないんです」
では、いまはどんなイメージで振っている?
「クルッと回ることしか考えてませんね。クラブが胸の前から外れないことを意識して打っているので、以前のように体重移動しないでその場でクルッと回れば、ヘッドが走る。だから、重視するのは『壁』より『軸』という感じですね」
回転するなかで、どうやってヘッドを走らせている?
「とくに肩を回す意識でスウィングをしているので、下半身は自然についてくるんです。スウィング軸を安定させて肩をブンと回せば、勝手にインパクト後にヘッドは体を追い越していきますよ」
そこに、自然と『左の壁』が生まれるということ?
「そうなんですよ」
この記事は、発売中の週刊ゴルフダイジェスト2017年8/22・29号の特集「“悩みのタネ”から花が咲く『左の壁』の作り方」の一部を抜粋。よく耳にするけど、意外とわからない「左の壁」について今平周吾や手嶋多一などが徹底討論している。スウィングの“深いところ”を理解して、一段階上のゴルファーになってしまいましょう。
写真/増田保雄