インターナショナルチーム唯一の勝利。その時いた日本人は......?
2年に1度、ライダーカップ(欧米対抗戦)が行われない年に米国対インターナショナル(欧州を除く)がチーム戦で雌雄を決するプレジデンツカップ。1994年から始まった同大会は今年で12回目を迎えるがインターナショナルチームはすこぶる分が悪い。
2年前、韓国・仁川で行われた大会では15.5ポイント対14.5ポイントの僅差で米チームに6連勝を献上。
2003年にタイガー・ウッズとアーニー・エルスが延長戦を戦ったが決着がつかず引き分けているが、以降米チームの勝利が続いている。
インターナショナルチームが唯一カップ奪還に成功したのが1998年のこと。そのときラッキーボーイとして一躍世界から脚光を浴びたのが……そう丸山茂樹だったのである。
なんと丸山、チーム戦4試合、シングルマッチ1試合すべてで破竹の5連勝をマーク。アーニー・エルスやビジェイ・シンらメジャーチャンピオンを差し置いて大会の主役に躍り出た。ちなみに1大会で5ポイント(無敗)をマークしているのは丸山を含めわずか5人しかいない。
今からは想像できないほどポチャポチャ太っていた丸山が躍動感溢れるプレーで最強米軍団を次々撃破する姿に、オーストラリア(メルボルン開催)のギャラリーも大興奮。ニコニコしながら凄いプレーを連発する彼についたあだ名が“笑顔の暗殺者”。
20.5対11.5の大差で勝利したチームの立役者となった丸山は、これを機に世界の舞台に羽ばたき米ツアー通算3勝の実績を残している。
実は丸山、プレジデンツカップでエルスやシンにぽっちゃり体型を“イジられた”のがきっかけで一念発起。ストイックに自分をいじめ抜き、アスリートらしい鋼の肉体を手に入れている。
その栄えある場に今年は松山英樹がインターナショナルチームのエースとして登場する。米チームにはジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス、ダニエル・バーガーら同世代のライバルが目白押し。負けるわけにはいかない戦いが待っている。
名誉会長にトランプ大統領が就任するという噂もあり、何かと話題に事欠かないプレジデンツカップ。果たして松山はニック・プライスキャプテンのもと、どんな活躍を見せてくれるのか? さらなる飛躍の序章になるかもしれない。
写真/姉崎正