ついにタイガーが復帰? プレジデンツカップへの出場はどうなるのか?
「ドクターからピッチング(アプローチ練習)の許可が下りた」というタイトルで8月31日に更新された自身のツイッターでは、白のノースリーブシャツと黒の半パン姿でアプローチを打つスローモーション動画がアップされ、たちまち2万5千件を超す「いいね!」がついた。
向かい風になびく黄色いピンフラッグに向かってタイガーが放った一打は、ピンに向かって一直線。ここのところゴルフとは関係ない話題ばかり提供してきた元世界ナンバー1が久々に見せたゴルファーらしい姿に歓喜するファンも多かったはず。
ここ数年は苦難の連続だった。度重なる腰の手術。メジャーにも出場できず、松山英樹が優勝したタイガーがホストを務めるヒーロー・ワールド・チャレンジ(2016年11月)で復帰したものの精彩を欠き、1月のドバイデザートクラシックを棄権。以来競技に戻ることなく再び腰の手術を受けることに。
ところが快方に向かっているとされていた5月「タイガー逮捕」の衝撃ニュースが世界中を駆け巡る。自宅近くの路上停車中だった黒のベンツのなかから酩酊状態で発見され、その後アルコールまたは薬物の影響による運転(DUI)で逮捕され、世間に醜態を晒した。
その一件もありプレジデンツカップ(米国対インターナショナルチームの対抗戦)のスティーブ・ストリッカー米国チームキャプテンから1年以上前に要請されていた副キャプテン就任は保留になっていた。
「ここ数カ月は彼のなかで躊躇する気落ちがあったのだろう」とストリッカー。だが正式に就任が決まったことで「我々は待っていた。もちろんチームの皆も同じ気持ちだ」と20年来の友人の表舞台への復帰を喜んだ。
アメリカが皆既日食に湧いた8月21日には「日食を見るためにテネシー州を訪れ娘のサムが素晴らしい写真を携帯で撮影した」と三日月のように欠けた太陽の写真をツイッターで公開。
その1週間前には全米プロに優勝したジャスティン・トーマスがトロフィーを掲げている横で微笑むタイガーとのツーショット写真も。「ステキなディナーをジャスティンの家族や友達と一緒に楽しんだ」とツイートしている。この1枚でのトーマスのうれしそうな顔からタイガーへの尊敬が伝わってくる。
何があってもタイガーはタイガー。683週世界ランク1位(現在は1121位)を守り抜いた孤高の王者の存在を忘れるのはまだ早すぎる。
写真/姉崎正