今どきの大型化したヘッドのドライバーで遠くへボールを飛ばしたいときは、右軸にしっかり乗らないと飛ばせないと話すのは名手・藤田寛之。パワーをしっかり溜められ、遠くに飛ばすことができる右軸の乗り方を教えてもらった。

右軸に乗らないとボール飛ばない

ーー右軸でパワーを蓄えるやり方を教えてください。

「キャッチボールを例に考えてみましょう。5メートル先へは手先で投げ、15メートル先なら上体のボディモーションを使います。30メートルになると、下半身を使わなくては遠くに投げられません。この動きをSWで距離を打ち分ける状況と重ねてみます。距離が長くなるにつれ、右足により体重を乗せてパワーを溜め、左足に踏み込んでいくことでスピードを得て飛距離を出すわけです」(藤田、以下同)

画像: 30メートルのスローだと体重を右サイドに乗せて下半身の動きを使わないと飛ばすことはできない

30メートルのスローだと体重を右サイドに乗せて下半身の動きを使わないと飛ばすことはできない

ーードライバーの場合はどうなのでしょう?

「ドライバーも全く同じ考えです。ヘッドが大きく長さも長くなるので、より右にしっかり乗ることを意識したほうがいいですね」

ーーでも右に体重を乗せる意識が強いと、スウェイして逆にパワーを逃がしてしまう気がします。

「ボールを投げる時、体重を右ひざや右腰に乗せると同時に右肩を引くように体をねじってパワーを溜めます。この時の体重の移動と体のねじりをミックスしたフォームはゴルフのスウィングと同じで、それが飛距離を生むんです」

画像: 遠くへボールを投げるピッチングフォームと、ドライバーのスウィングは同じ。トップでは右足でしっかり体重を受け止め、左への突っ込みを抑えながら右軸で回転。これで大きな飛距離が得られる

遠くへボールを投げるピッチングフォームと、ドライバーのスウィングは同じ。トップでは右足でしっかり体重を受け止め、左への突っ込みを抑えながら右軸で回転。これで大きな飛距離が得られる

右軸に乗れれば下半身主導で振れる

ーードライバーは右軸でパワーを蓄えることができれば、より飛ばせることが分かりました。では、振り遅れによる飛距離ロスを防ぐ方法は?

「たしかにヘッドが返りにくいですから、左サイドで振ろうという意識が強いと振り遅れると思います。右にしっかり乗って、下半身主導のスウィングを作ることができれば、振り遅れは防げます」

ーーやはり、しっかり右軸に乗ることが重要なんですね。

「しっかり乗れないと、上体でボールを当てにいく動きが強くなります。その結果、左サイドへ突っ込んでしまうんです」

ーー右軸にしっかり乗るための、効果的な方法はありますか?

「1本足打法ドリルがオススメです。バックスウィングで左足を浮かせ、完全に右足にウェートを乗せます。この態勢からは上半身で打ちにいくことはできませんから、自然に左足で踏み込む下半身主導のスウィングになります。練習場で実際にボールを打ってみると、力強い球になるので、右軸で打つ効果を実感できると思います。素振りだけでも十分に効果があるので、ぜひ試してみてください」

画像: バックスウィングで左足を浮かせ、完全に右足にウェートを乗せる。左足を踏み込こんでいけば、下半身主導のスウィングが体感できる

バックスウィングで左足を浮かせ、完全に右足にウェートを乗せる。左足を踏み込こんでいけば、下半身主導のスウィングが体感できる

右軸にしっかりと乗ることは飛距離をアップすることだけではなく、振り遅れのミスも防ぐことができる一石二鳥なスウィング方法なのだ。さっそく、試してみよう。

写真/富士渓和春

(週刊ゴルフダイジェスト2016年11/15号より)

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