日本オープンは池田勇太が制し、賞金王争いは小平智がリード
日本オープンゴルフ選手権で2014年以来2度目となる“日本一”のタイトルを獲得した池田勇太は「残りシーズン、1勝といわず2勝はしたい」と高らかに賞金王獲りを宣言した。
2016年に自身初のマネーキングに輝いたことで海外メジャー挑戦の道を切り開いた池田。しかし米ツアーに専念したシーズン前半は予選落ちが続き悔しい思いの連続だった。
調子は悪くないのに1打足りずに予選落ち。アンラッキーも重なり正直やる気を失いかけた。しかし国内に専念するといきなりRIZAP KBCオーガスタで優勝。思い入れの強いANAオープンでシーズン2勝目を挙げると、4年前には感じなかった日本オープンというタイトルの重みを痛感しながら逃げ切り、賞金ランクを一気に3位まで上げてきた。
昨年の賞金王の宣戦布告に黙っていられないのがここまで1億750万円強を稼ぎランキングトップを走る小平智と、小平をおよそ710万円差で追いかける宮里優作だ。
10月16日時点の3人の獲得賞金を整理すると以下の通り。
1位:小平智 1億752万4213円
2位:宮里優作 1億40万2607円
3位:池田勇太 9984万5371円
今後優勝賞金4千万円のビッグトーナメントが続くだけに1試合で形勢は大きく変化する。4位以下の選手も含め現時点では誰が賞金王になってもおかしくない状況というわけだ。
シーズン1勝ながら予選落ちがなく、毎週のように優勝争いを演じベスト10に10回入っている小平が初のタイトルに輝けば、今年3月に入籍した2008年の賞金女王・古閑美保とともに賞金王(女王)カップルの誕生と相成るのだ。もちろんこれは史上初の快挙である。
一方、選手会長を務める宮里にとっても賞金王は大きな意味を持つ。“藍ちゃんのお兄ちゃん”に甘んじていた時期もある。期待されながら勝てず苦しんだ日々はすでに遠い。妹が現役を退いた直後だからこそ兄としてのプライドを示したい。そして病気療養中の父・優さんに恩返しがしたい。
「優作には私をマスターズに連れて行ってもらわなきゃなりません」と語っていた優さんのためにも賞金王となり、世界ランクトップ50以内に入って来年のオーガスタ行きの切符を掴んで欲しい。
三つ巴の争いはおそらく最終戦までもつれ込むだろう。誰が勝っても不足はない。いまの日本男子ゴルフ界を引っ張る3人の賞金王争いはきっと、これから抜きつ抜かれつの見応えのある展開になるはずだ。我々もじっくりと腰を据えて賞金レースの行方を見守りたい。