2017年11月2日に発売される青山学院大学陸上部の原晋監督といえば、2017年に青学駅伝チームに箱根駅伝3連覇という偉業をもたらした立役者。その原監督が、青学のランニングメソッドを一般読者向けに公開した著書「1日10分走る青トレ」が間もなく発売される。ランニングをしている人、始めようとしている人だけではなく、ゴルファーにも役立つエッセンスが満載のその内容を、一足お先に“立ち読み”しよう。
1日1500メートル、10分だけ、ランニングしてみよう
速い、強いはもとより、15年に箱根駅伝で初優勝をしたとき、青学の走りにはこんな言葉がかけられた。明るい、爽やか、笑顔がいい。それはおおよそこれまでの駅伝では、考えられなかった賛辞だろう。そして多くの人は、最後にこうつけ加えた。
「青学の選手の走りはカッコいい!」
しかし、本当は順番が逆だ。カッコいいから速いし強い。そして明るく爽やかで、いい笑顔でも走れるのだ。
陸上界の常識を覆す「青学の新しいランニング」は、むしろ一般ランナーこそ身につけるべきもの。なぜなら、それはやがて速く、長く走れ、健康にもよければ笑顔にもなれ、ダイエットや美脚、ヒップアップなど、キレイにもなれるランニングなのだから。
走り出す前に。ランニングのコツは「ケンケン」です!
昔からある「ケンケンパ」という子供の遊び。ここに青学の走り、新しいランニングの秘密があった。
陸上界ではホッピング、あるいはバウンディングと呼ばれ、とくに短中距離、跳躍系の選手は広く行われているトレーニング。本書(編集部注:『1日10分走る青トレ』)では、ケンケンと呼ぶことにする。
ケンケンは、ひざが前に出ても、腰が落ちても、前屈みになっても、少しでも体のポジションがズレたら連続してはできない。つまりいい姿勢が求められる。
より高く、より前に。足裏で地面を蹴ったエネルギーを、足首、ひざ、腿、腰、そして上半身へと効率よく伝えるのも、このいい姿勢があれば速くも走れるし、長くも走れる。いいポジションなら疲れないし、ケガや故障を防ぐこともできる。
いきなり走り出す前に、まずはケンケンで走るポジションチェック。新しいランニングの第一歩になる。
「1日10分走る青トレ」(ゴルフダイジェスト社)より
写真/野村誠一