構えやすく、いかにも打ちやすそうな安心感がある
シャフトメーカーでもあるグラビティが開発した薄型フェースと広いスウィートエリアが特徴の「ワクチンコンポ オリジナル黒」ドライバーをプロファイリングします。
クラブ設計家の松尾好員氏の測定によると、「クラブ長さが実測で45.75インチと長いですが、クラブ重さが実測で270.6グラムと非常に軽く、クラブバランスもC8.8と小さいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが278万g㎠と小さく抑えられ、ヘッドスピードが38m/sくらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計となっています」(松尾氏)。
さらに松尾氏は、「ヘッドはオーソドックスな丸型形状で構えやすく、投影面積が大きいのでアドレスしたときに、いかにも打ちやすそうな安心感があります。大きなリアルロフト角設定と大きなフェースプログレッションで球が上がりやすくなっています」と分析する。
ヘッドスピードがやや落ちてしまった上級者向き
次に、10.5度で標準Rシャフト仕様のクラブを試打した感想を聞いてみよう。
松尾氏は、「シャフトはアドレスしただけでもたわむくらいの非常に軟らかい設定で、ヘッドスピードが38m/sくらいの、力があまりないゴルファーでも扱えるほどです。実際にキャリーで170ヤードくらいのグランドシニアのゴルファー数名に試打してもらいましたが、球のつかまりも良く、飛距離もよく出ているので好評でした。また非常に高いインパクト音も爽快感がありました」と話す。
同様にプロゴルファーの堀越良和プロは、「ワクチンコンポが手掛けるヘッドは初めて打ちましたが、打感がよくヘッドとシャフトの相性がいいクラブでした。アップライトとフックフェースなので、つかまるイメージがわいてきます。少し長めのシャフトなので、スウィングプレーンがしっかりしていることが前提ですが、操作性も良く、力まず高弾道のつかまった球が打てるので、ヘッドスピードが少し落ちてきた上級者にピッタリだと思います」とコメント。
最後に松尾氏は、「強めのフックフェースで球をつかまえるイメージがあり、右にいきにくいクラブですね」と総評した。
詳しいクラブ計測データは、週刊ゴルフダイジェスト2017年11/21号「ギアプロファイリング」をチェック!