「枯れ芝ティアップ」で果敢に攻めよう
ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):冬の枯れたラフは、フェアウェイよりもやさしくなるんですか?
今野一哉(以下今野):冬になると、フェアウェイは芝が薄くてシビアなインパクトが要求されますが、ラフの芝は乾いて抵抗が小さくなり、しかも、ちょっとティアップされている感覚のライになるので、やさしく打てるんです。ちょうど、乾いたタワシにボールが乗っている、そんなイメージでしょうか。
GD:たしかにフェアウェイよりも、アバウトに打てるような......。
今野:そうなんです。その枯れ芝のメリットを活かせば、フェアウェイウッドがカンタンに打てるんです。冬は空気が乾燥して地面が硬く、落ちてからのランも稼げますから、ラフからグリーンを狙ったり、少しでもグリーンに近づけようと思ったら、だんぜんフェアウェイウッドが使いやすくなります。
手前から“ザザザッ”とソールを滑らせよう
しかし、いくら打ちやすいとはいえフェアウェイウッドは14本の中でも難しいクラブ。上手く打つには、どうしたらいいのだろうか。
「夏のラフは強く重く湿り気があって、当然フェアウェイウッドでは振り抜けませんが、冬の枯れたパサパサのタワシ状ラフなら、多少芝が噛んでも振り負けません。なので、冬のラフなら手前の芝ごとザザザッと滑って80点以上のショットになりやすいんです」
インパクトをある程度アバウトにして、手前からソールを滑らせるように打ったほうが、結果は良くなるというわけ。なるほど、そう考えるとミスが減らせそうだ。
というわけで、冬場はティショットがラフに飛んだとしてもガッカリする必要なし。気楽にアバウトなインパクトで、80点ショットを目指そう。
(週刊ゴルフダイジェスト2015年12/22号より)
写真/田中宏幸