曲がり幅を減らす工夫がいろいろ
全米アマ優勝時は腕の動きでフェースコントロールし、打球を曲げてゲームを組み立てる感覚派だったマット・クーチャー。だが、20代にスランプを経験し、コーチのクリス・オコネルと取り組んだのはフェースローテーションを抑えたスウィング。安定性を高めることが主眼だった。
「飛距離より再現性。シンプルにコース戦略ができるようになりました」(クーチャ、以下同)
ドライバーは、身長から見るとかなり短い44.75インチを愛用。元はドロー系だったが、現在の持ち球のストレートに近いフェードを打ちやすくする工夫のひとつだろう。ヘッドも、ホーゼル部の調整でオープンフェースに設定。ウェートビスもつかまりを抑えるよう、フェース寄りを重くしてある。
2014年から使用しているブリヂストンの「J715 B5」。短尺使用なのでウェートビスを重くしてある。フェース寄りを重めにしてつかまりを抑制
「弾道データを見ながらベストスペックを探します」と話すとおり、2017年のブリヂストンオープンのレンジでは新モデルのデータを計測。パフォーマンスを高めることに意欲的だ。

感性より弾道データ重視!
スピンを抑制する「パワーミーリング」
フェースに施された細かいミーリングのラインがバックスピン量を低減。強いフェード弾道に貢献している。

締まったディープフェース
無理せず飛ばせる60グラム台のS
シャフトは三菱ケミカル「TENSEI」60グラム台のSを使用。データ的に最もパフォーマンスが良かったという。

44.75インチと短尺だが、ヘッドが重たいので“ミート効率”で飛ばすことができる
現在発売中の月刊ゴルフダイジェスト2018年2月号では、ドライバーだけでなく、マット・クーチャーのデータ重視な14本を紹介している。長年世界のトップレベルで活躍できる秘密を見てみよう!
写真/有原裕晶、矢田部裕