念願だったマスターズの出場権を手にした宮里は下位(134位タイ)で予選落ち。エースドライバーが壊れたのをきっかけにドライバーの調子を落としている小平智も本来のプレーとはほど遠く、残念ながら143位での予選落ちとなった。
日本のエース格2人が予選で姿を消すなか気を吐いたのが片岡大育と今平周吾の若手。片岡は優勝したパットン・キザイアと6打差(通算11アンダー)の18位タイに入る健闘を見せた。ディフェンディンチャンピオンのジャスティン・トーマスが12アンダー14位タイだから、現在ほぼ世界最強のプレーヤーと4日間で1打しか差がなかったことになる。しかもキャリアグランドスラムに王手をかけているジョーダン・スピースと同順位。
上位争いを演じた3日目、13番でトリプルボギーを叩いたことを悔やんだが「全体としては良かったと思います。こういうプレーを続けていけば(米ツアーでの)優勝も目指していける」と試合後片岡は頼もしいセリフを口にした。
決して飛ぶほうではない片岡の今大会の平均飛距離は286.4ヤードとほぼ最下位(76人中74位)。それでもフェアウェイキープ率は平均60パーセント(全体の20位)をマーク。さらにパーオンした際のパット数は平均1.630で全体の6位。バンカーにつかまった際のパーセーブ率(サンドセーブ率)は12分の11で堂々の2位にランクイン。正確なショットと小技が噛み合ったことが好プレーに繋がった。
一方の今平は2日目、3日目でスコアを伸ばせなかったが最終日は4アンダー66をマークしトータル6アンダー54位タイで4日間の競技を終了。決勝ラウンドは10番スタートの裏街道だったが、3日目&4日目とも上がり2ホール連続バーディで締めくくるなど随所に光るものを見せている。ちなみにもうひとり出場していた小鯛竜也は125位タイで予選落ちに終わっている。
たかが一戦、されど一戦。たった一戦、いやたった一打で大化けすることもあれば、歯車が大きく狂うこともある。日本を代表するプレーヤーである宮里&小平には今回の惨敗を良い意味で奮発材料に、片岡、今平には上昇気流に乗るきっかけにしてもらいたい。
撮影:大澤進二