練習場では上手くいってもコースではミスをする。その理由は「心」が邪魔をしてしまうからだとツアー通算30勝のレジェンド・倉本昌弘はいう。自身の著書「本番に強くなるゴルフ」からミスを呼ぶ「心」を抑える方法をご紹介。

「心」が出にくくなる回路を作る

普段から制限をつけて練習していても本番になれば「心」は必ず出てきます。ですから、本番で「心」が出にくくなる回路を作っておく必要があります。

そのために、やってもらいたいこと。それはプレショットルーティンの練習です。ショットの前に、毎回同じ手順でセットアップして、構えたら速やかに打つ。そういう練習をしておくのです。「そんなものが何の役に立つんだ」と思う人がいるかもしれません。でも、脳と体を結ぶ回路を作るためには、とても重要な意味があるのです。

基本的に、目で見た情報が脳に行って、そのとき何をしなくてはいけないかを脳が判断し、筋肉に指令を出すから体が動くわけです。たとえば、歩いていく方向に階段があれば、自然に足が上がって階段を上りますが、それは、階段を見た脳が、「そこに上がるから足を上げろ」、という指令を出したからなのです。ただ、そのとき大切なのは、誰も「足を上げよう」などと考えていないということです。

階段が目の前にあるから、脳と体が自然に反応している。そこには「意志」がない。除外されているわけです。では、なんで「足を上げる」という「意志」が除外されているかというと、階段を上るために足を上げるという経験を繰り返してきているからです。そういう経験を繰り返すと、意識しなくても、脳は階段を見ただけで自然に足を上げるという指令を出すようになるのです。

同じように、ゴルフも、プレショットルーティンを確立し、プレショットルーティンをしたらすぐにスウィングするという経験(訓練)を繰り返すと、本番でもプレショットルーティンをしたら、後はスウィングするだけ、という回路が出来上がります。すると、「意志」、つまり、ざわつく「心」、ミスを呼ぶ「心」が除外された状態でスウィングしやすくなるのです。

画像: プレショットルーティンの方法は、人それぞれでいい。倉本プロの場合は、まずボールの後ろからこれから打つ球筋をイメージし、ボールと目標の間にスパット(目印)を見つけ、スパットにフェースと体をスクェアに合わせたら、もう目標は見ず、ボールをスパットに打ち出すことを意識して、イメージが消えないうちにスウィングするという手順だ

プレショットルーティンの方法は、人それぞれでいい。倉本プロの場合は、まずボールの後ろからこれから打つ球筋をイメージし、ボールと目標の間にスパット(目印)を見つけ、スパットにフェースと体をスクェアに合わせたら、もう目標は見ず、ボールをスパットに打ち出すことを意識して、イメージが消えないうちにスウィングするという手順だ

ただし、プレショットルーティンというのは、練習でいつもやっていて、初めて効果が出るものです。打つ前にお決まりの動作をすることが大切なのではなく、お決まりの動作をしてから打つ練習を繰り返しておくことが大切なのです。本番でいきなりやろうとしても、それは形だけで中身がない。そんな形だけのルーティンではミスを呼ぶ「心」を抑えることはできません。1回練習場に行ったら、30球はプレショットルーティンの練習をしてみてください。それを続けることで、本番でも効果が出てくるはずです。

こういう練習は、いくら叩いても気にしない人、プレッシャーのかからないゴルフをしている人には、あまり意味のないことだと思います。けれども、ちゃんとスコアをつけて、1打でも少なく回りたい、1つでもハンディを減らしたいと思ったら、必ず「心」が邪魔します。それを乗り越えるためには、絶対に必要な練習なのです。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/岩井基剛

GOLF5

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