「構えたら3秒で打つことがミスを生む『心』を出にくくする」と言うのはレジェンド・倉本昌弘。プレショットルーティン後にすぐ打つためには、ラウンド前にコースの情報を収集しておくことが大事だ。著書「本番に強くなるゴルフ」からラウンドに役立つ「心」の作り方をご紹介。

構えたら3秒で打つ

私は普段から「構えたら3秒で打つ」ようにしています。それは、私が初めてゴルフを教えてもらった福井康雄先生(1914年~1991年)に、「人間、とくに、ゴルファーの集中でさっさと打ちましょう」と教えてもらったことがきっかけです。

ミスの原因の大半は、ミスを呼ぶ「心」が出てきてしまうことにあります。時間をかければかけるほど「心」は出てきやすい。それを防ぐためには、プレショットルーティンを済ませたら、「心」が出てくる前に速やかに打つことが大切なのです。

構えてすぐに打つためには、その場のプレーだけを早くしようとしてもできません。プレー全体を速やかにすることで、初めて早く打てるようになるのです。そのためには、距離、風、ライ、使う番手、打つべき球筋などを速やかに的確に判断することが大切です。それができれば、「心」が邪魔をする前に動き出しやすくなります。

それに対して、プレーの遅い人は、そういう判断ができません。その結果、迷い、不安などの「心」が出てきてミスをしてしまうのです。

画像: 状況判断の早さが、ざわつく心を抑える

状況判断の早さが、ざわつく心を抑える

状況判断を速やかに行うためには、ラウンド前、ラウンド中に、手際よく情報を収集しておくことが大切です。例えば、基本的なコースの情報はインターネットなどで調べておくのもよいでしょう。そのコースが平らなのか、アップダウンがあるのか、何ヤードのパー3、パー4、パー5があるのか。

さらに、朝一番で回るホールは、右がOBだとか、左に池があるとわかっていれば、その場で焦ることもないし、その状況を想定して練習しておくことも可能だから、速やかにプレーできて、ミスも減らしやすくなるというわけです。

また、コースに着いたら、スタート前に基本的な風向きをチェックしたり、練習グリーンの速さをチェックしておくようにします。そして、ラウンド中には、できる限り難しいことはやらない。余計な技術は使わないということも大切です。そういうことをすると、プレーに時間がかかったり、戸惑ったりして「心」が表に出てミスをしやすいからです。時間をかければかけるほど「心」が出てきやすい。これだけは覚えておいてください。

プロ、アマに限らず、本番になれば「心」はざわついたり、暴れたりします。だから練習のときには制限をつけ、心が出やすい状態を作って、それでもやるべきことをやるという訓練をする。そして、コースに出たら「心」がなるべく出てこないように、プレショットルーティンを済ませたら、速やかに打つようにする。また、時間をかければかけるほど「心」は出やすくなるので、時間をかけずにプレーをする。これらが、「心」に対する基本的な考え方です。

そして、ショットを打つときにも、アプローチをするときにも、パッティングをするときにも、なるべく「心」が出てこない考え方、技術の選択をするのです。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/有原裕晶

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