プロはウォーミングアップに「2時間」かける!
野球をするなら試合前にベースランニングやキャッチボールをするし、テニスをするならラリーをする。ゴルフも立派なスポーツである以上、スタート前にきちんと準備し、ウォーミングアップを済ませておくことが肝心だと荒井プロは言う。
「私の場合は、スタートまでの準備に最低2時間はかけます。コースで朝食が食べられるか食べられないかによりますが、コースで朝食を食べられる場合には2時間半前にはコースに着くように心がけていますね。時間的にコースのレストランが空いていなくて予め朝食を済ませている場合でも、ウォーミングアップはスタート時間の2時間前には始められるよう準備します」(荒井プロ)
とのこと。2時間というとハーフを回る時間くらい。いかに準備に時間をかけるのかが分かる。内容は、まず広いスペースのあるお風呂場の脱衣所で入念にストレッチ。そしてパッティンググリーンで少しだけロングパットを転がしグリーンの状態をチェックしてからドライビングレンジへ行き、30球ほどショット練習。アプローチ練習をしてから再びパッティンググリーンへ行き、スタートの12~13分前にはティグラウンド脇で待機、というのが荒井プロの流れだ。
荒井プロはこのルーティンだというが、我々アマチュアは2時間前の到着というのは正直難しいかも……。
「では、スウィングに重要な部分だけでも毎回必ずほぐすというのをルーティンにしてみては? 私もやっているストレッチをご紹介します」(荒井プロ)
ストレッチひとつでその日のスコアが左右される
荒井プロがとくに重視しているのは、練習前のストレッチ。
「ゴルフのスウィングでは、肩甲骨周りと股関節やお尻の周りの筋肉をよく使います。ここをしっかりとストレッチするのとしないのとでは体の動きが全然違ってきます。私がやっているもののなかから、簡単で効果的なストレッチを2種類お教えしますので、みなさんもスタート前のルーティンとして取り入れてみてください!」(荒井プロ)
肩甲骨のストレッチ
「まずは、練習場でもクラブハウスの壁でもいいのですが、手をつけたまま胸を前に出すようなイメージです。腕を後ろに引くというよりも胸を前に出すように。肩甲骨まわりをほぐせます」(荒井プロ)
この時、腕の高さによってほぐれる場所が違うため、肩甲骨をまんべんなくほぐすためにも当てている腕の高さを上・中・下と変えるとより効果的だという。
「これだけでもやるのとやらないのは全然違いますよ」(荒井プロ)
お尻~股関節のストレッチ
「これもどこにいてもできるストレッチです。片足立ちになるので不安な人は何かにつかまっても大丈夫です。片方の足をもう片方のひざを上に乗せた状態で腰を沈めます。この時、背筋は伸ばしておくことがポイントです」(荒井プロ)
ボールを打つ前にきちんと体をほぐしておくことは、パフォーマンスの向上だけでなく、ケガの防止にも役立つ。そして大切なのはそれを“習慣化”すること。とくに普段から運動不足気味の人、コースに行くまでの運転で体が固まってしまう人などはぜひやってみよう!
写真/小林司、協力/宍戸ヒルズカントリークラブ