タイガー経営のレストランは予約パンパン。フロリダは「タイガーフィーバー」!
今年のホンダクラシック、注目は何といってもタイガー・ウッズでしょう。タイガーは過去93年、12年、13年、14年と出ていて、これで5回目の出場となります。12年の2位タイが最上位で、未だ勝ったこのとない大会です。舞台のPGAナショナルは全米屈指の難コースですからね。パー70設定で、昨年のアベレージスコアは70.556。とくに難しいのが“ベアーズトラップ”と呼ばれる、15、16、17番の3ホールで、昨年のベアーズトラップの平均スコアは+0.644となっています。ここで軒並みスコアを落としていくんです。
初日は朝早いスタートながら、タイガーをひと目見ようとたくさんのギャラリーが詰めかけていました。私は去年もこの大会に来ていますが、初日のギャラリーの数は去年の倍以上いましたね。タイガーの組は人垣ができるほどで、みな「GO TIGER!」とか「COME ON TIGER!」とか声援を送っていましたよ。中には「THANK YOU TIGER」という声もあり、「ホンダクラシックに再び戻ってきてくれてありがとう」という意味がこめられていたんでしょうね。
タイガーの組は警察や警備員の数が多く、常時5人ほどの屈強な警察官が目を光らせていました。
ギャラリーの方に聞いたところ、入場ゲートでのセキュリティチェックもかなり厳しかったようで、
バッグの中を念入りに調べられたそうです。普段の大会ではこんなことありませんからねぇ。周囲の変化を見ると、タイガーという存在はやはり特別なんだなというのを感じます。
コースのそばに、タイガーが経営しているレストランがあるんですが、電話をしてみたら今週はまったく予約が取れない状態。これもタイガーフィーバーの余波ですかね(笑)。タイガーは今季これで3戦目。ファーマーズで23位タイ、先週のジェネシスでは予選落ち。15年のウィンダム選手権以来トップ10に入っていません。
朝から風が吹き荒れる悪条件の中で、前半のインコースでは2つのバーディを奪い、一時は首位に立つなど順調な滑り出しをみせました。後半の3番ホールでダボを叩きましたが、終わってみればイーブンパーの23位タイ。ラウンド後のタイガーの表情はとても満足そうでした。
トップは4アンダーパーで、アンダーパーを出した選手は20人もいませんから、タイガーのスコアはまずまずといったところでしょう。
試合後のタイガーのコメントです。
ーー難しいコンディションの一日でしたが、試合を振り返っていかがでしたか?
タイガー:今日はタフなコンディションでした。風がかなり強く吹いていて、ラフも長く、グリーンも読みづらくて難しかったです。ただその中でもボールをいいポジションに置くことだけに集中して、着実にそこに打てていました。
ーーパープレーと言うスコアには満足していますか?
タイガー:とても満足しています。今日のコンディションは難しいですからね。午後のスタートの人たちはもっと大変だと思いますよ。ここ最近の7ラウンドの間でもっともボールストライクが良くて、この強風の中、うまくボールをコントロールできていたのではないですかね。ジェネシスでは、ボールをコントロールできず行ってはいけないような場所に打っていました。それが今日はなかったのが良かったです。
ーー18ホールを通して納得いくプレーができていたと思いますが?
タイガー:ゴルフが徐々によくなっていますよね。PGAナショナルのようにミスが許されないコースでも、いいショットが打てているので、自分がいい方向に向かっているのを感じます。特に今日は僕の定位置である“風下”にボールを持っていくことができていました。
このように前向きな発言を繰り返していたタイガー。コースマネジメントとショットの調子がうまくリンクしている感じでしたね。得意の風下の位置からアゲンストに向かってノックダウンショットを連発していました。今日のようなプレーが4日間通してできてくれば、上位に食い込むこともできそうですね。タイガーの最新ノックダウンショットをご覧ください。
今週は自宅から通えるとあって、とてもリラックスモード。自宅で作ってもらったという手作りのサンドイッチをほおばる姿も見られましたよ。いったい誰が作ったんでしょうね?
写真/姉崎正