荒井プロは、試合の朝、ストレッチを済ませてクラブハウスを出たら、まず最初に5分ほど、ロングパットでその日のグリーンの状態を確認しつつ、タッチのイメージ作りをするという。
「まずドライビングレンジに行く前に、少しでいいのでパッティングのタッチを確認したいんです。自分の『いつもの感じ』でストロークして、ボールがどのくらい転がるか。この結果から判断して、その日のグリーンの印象をしっかり作っておきます」(荒井プロ)
5分ほどロングパットをしたら、ドライビングレンジに行ってショット練習。その後アプローチやバンカーをやって、スタート前にまたパッティンググリーンに戻ってくると、再びロングパットから本格的なパッティング練習をスタートするという。
「ロングパットの練習は、上り・下りの比較的ハッキリしているラインを見つけて打ちます。そしてそのラインを往復して打つんです。長いパットで『平らで真っすぐなライン』を見つけるのは難しいので、明らかな傾斜地で上りと下り両方を打って、その平均でスピードのイメージをつかみます。両方打つことで『上りは重いけど、下りは伸びるな』というような、グリーンの特徴も感じやすくなるんです」(荒井プロ)
ある程度ロングパットをやってタッチのイメージが出てきたら、次はショートパット。2メートルくらいの、できれば真っすぐなラインを見つけて、「真っすぐ打つ練習」をするという。
「ショートパットは『真っすぐ打てれば入るライン』で練習するのがベスト。ボールの線を打ち出したい方向にきちんと合わせて、そのラインがヨレずにキレイに転がるように打つことに集中します。カップインしたかどうかよりも、狙ったところにちゃんと打ち出せているか、ボールがキレイな順回転をしているかが大事です」(荒井プロ)
パッティング練習の最後は4メートル前後の距離で「入れる練習」。
「ここまでにしてきたタッチの練習と、真っすぐ打つ練習の成果を生かして、1球1球、ていねいに打ってカップインさせます。4mくらいの距離って、ラウンド中実際はそれほど高確率で入れられるわけではないんですが、『入れたい距離』ではあるんです。この距離を気持ちよく決めていいイメージを残してスタートすることで、その日のパッティングをポジティブに進めることができるんです」(荒井プロ)
まずはタッチの練習で感性を、そしてショートパットの練習でメカニカルな部分を整え、最後にそれらを組み合わせて、気持ちよくカップインさせてスタートする。こうやってスタート前にしっかり調整しておけば、出だしからナイスパット間違いなしだ!
写真/小林司、協力/宍戸ヒルズカントリークラブ