パッティングの上手さは「転がり」で決まる!
「パッティングって、ラインの読みも大事ですし、狙ったところに真っすぐ打ち出す技術も大事です。でも本当にパッティングが上手い人は、“転がりのいい球”が打てる。それが本当のパター巧者だと思うんです。“転がりのいい球”というのは、ボールの回転軸がブレずに安定して順回転で転がる打球のこと。そういう球は、ラインに乗ってスムーズに転がり、カップ際でもヨレたりしないから、よく入るんです」(荒井プロ)
なるほど、トーナメントの中継などを見ていても、解説者が「この選手のパッティングはいい転がりをしていますね」なんて褒めているのを聞いたことがある。
「テレビを見ていて、打った瞬間『あっ、強いかも!』と思った球が、カップを過ぎるとスッと止まることってありませんか? “転がりのいい球”って、インパクトでボールに与えられたエネルギーのぶんだけ素直に転がり、そのエネルギーが尽きたら自然と減速して、そういうふうに止まるんです。プレーヤーのストロークに対して過不足なく転がるので、打った人にとっては『転がりすぎた』とか『伸びずに止まっちゃった』ということがない。だからタッチも揃ってくるんです」(荒井プロ)
そんな“転がりのいい球”は、ボールをパターヘッドの芯で捉えられているのはもちろん、インパクトゾーンでヘッドがレベルに低く長く動くことで、ボールにいい順回転をかけられるのだという。
そんなインパクトを身につけるために荒井プロが自身でもやっている練習方法が、ボールの手前にティを刺して、ヘッドがそのティに当たらないようにパッティングする練習だ。
「まず、パターの芯でボールの芯を打ち抜こうとすると、ヘッドが地面から結構浮いた状態でインパクトしないといけないんです。ボールの手前にティを刺して、ヘッドがそれに当たらないようにインパクトできれば、自然と芯でボールを捉えられます」(荒井プロ)
さらに、ヘッドの軌道が極端なアッパーだったり上から潰すようなダウンブローだと、ヘッドがティに引っかかる。そうならないように打つことで、ヘッド軌道を安定させる効果もあるという。
たったティ1本でストロークの安定に抜群の効果があるというこの練習。さっそく次のラウンド前にやってみよう!
写真/小林司、協力/宍戸ヒルズカントリークラブ