ティショットをミスしたため、念のため暫定球を打っておいた。1打目があると思われる場所を探したが、ボールがなかったので暫定球を4打目としてプレー。すると、はるか前方で1打目を発見! このボールでプレーしようとしたら、同伴者から「ちょっと待って!」と物言いが……。
ティショットを大きく左に曲げてしまった! 「念のため、暫定球を打つわね」。バシュンッ! 「も~う、最初からこのショットが出てくれればよかったのにーー!」
ところが、1打目があると思われた場所にボールは見つからず……。「あれ~、ないわね。仕方がないわ。暫定球を4打目としてプレーするわね」。「了解です!」
1打目があると思われた場所では見つからなかったのは、どうやらカート道で跳ねて転がって、暫定球をプレーした場所よりもはるか前方(グリーン寄り)に飛んでいた模様! 「うそー、あんなに飛んでたの?」
「1打目があると思っていた場所よりもグリーンに近い場所で暫定球をプレーしたら、その時点で1打目は紛失球扱いになって、暫定球がインプレーになるんです。このボールを打ったら誤球になってしまいますよ」
「実際の1打目は、暫定球をプレーした場所よりもグリーンに近い場所にあったわけだから、さっき4打目として打った暫定球は無視して、このセーフだった1打目でプレーを続けていけばいいはずよね」
さて暫定球をめぐる2人の見解、正しいのはどっち?
暫定球でプレーしたら、最初の1打目がはるか前方で見つかった! さて、どうするのが正解?
「初めの球があると思われた場所」よりもホールに近い地点から暫定球でプレーしたので、その地点で暫定球がインプレーの球となり、初めの球は紛失したものとみなされる(規則27-2b)。「初めの球が実際にあった場所」はこの場合、問題とならない(裁定27-2b/4)初めの球を打つと誤球になる。
週刊ゴルフダイジェスト5/22「ゴルルとルール。」より(監修・小山混、撮影・阪上恭史)