ツアー通算30勝の倉本昌弘は「無駄な力を抜くことができれば誰でも大きなフィニッシュを取ることができる」という。著書「本番に強くなるゴルフ」から理想的なフィニッシュを取る方法をご紹介。

ムダな力を抜くことができれば誰でも大きなフィニッシュが取れる

フィニッシュのポジションで大切なのは、正面から見たときに、背中が見えるくらい体が回っているということ。体の回転でスウィングして、クラブの運動を邪魔しなければ誰でもこの形になるものだからです。よく、体の硬い人は体が回りにくいと言われます。

確かに、体がものすごく柔らかい人と硬い人を比べたら、フィニッシュの形は違うでしょう。でも、バックスウィングで右の股関節、ひざ、足首を使えば、誰でも90度以上体を回せるのと同じように、フォローからフィニッシュにかけても、左股関節、ひざ、足首を使えば、正面から背中が見えるくらい、本来は誰でも回せるものなのです。

ところが、アマチュアの場合、そこまで回らない人が多い。それは、体全体にムダな力が入って、体が回転する動きにブレーキをかけているからです。ムダな力を抜くことができれば、誰でも正面から背中の見えるフィニッシュが取れます。逆に言えば、そこまで回らない人は、フィニッシュ以前の力の使い方、動き、タイミングに問題があって、いつミスが出てもおかしくないスウィングをしている証拠なのです。

画像: バックスウィングで息を吸って、ダウンで吐く

バックスウィングで息を吸って、ダウンで吐く

フィニッシュで体が回らないという人は、呼吸を意識してみましょう。バックスウィングで「スー」と大きく息を吸って、ダウンスウィングで「ハー」と吐く。そうすることによって、ムダな力が入らなくなるとともに、リズムやタイミングが安定し、フィニッシュが取りやすくなるはずです。実際に球を打つときに呼吸を意識する必要はありませんが、タイミングを安定させて、ムダな力の入らないダウンスウィングを体感するには効果的な練習法です。

この練習をするときにも、しっかりと切り返しの「間」を取るようにしてください。「スー」でバックスウィングしたとき、クラブが上がり切らないうちに「ハー」と下ろすのではなく、「スー」の後にちょっと間があって、「ハー」というタイミングでダウンスウィングする。ワンレバースウィング、ツーレバースウィングと同じように、ブランコや振り子が上がり切って下るときのタイミングをイメージするといいでしょう。

スウィングリズムのゆっくりな人は、「スー」で上げた後に間があって、「ハー」でゆっくりと長い息を吐きながら下ろす。リズムの速い人は、「スッ」と短く吸ってバックスウィングした後、ちょっと間があって「フッ」と素早く息を吐いて下ろす感じです。「スー」「ハー」も、「スッ」「フッ」も、スウィング全体の長さはほとんど一緒ですが、テンポによって息を吸ったり吐いたりするスピードを変えるのがポイントです。

また、打ち終わったら右のかかとが浮いて、後方から見たときに、右足の裏が見えることも大切です。これができないと体はしっかりと回りません。よく、ベタ足がいいなどと言われますが、それはあくまでインパクトまでの話。球を打った後は、かかとが上がるのが正しい動きです。右かかとが上がらない人は、体重移動と体の回転が足りない証拠です。ダウンからフォローにかけては、体の回転を止めず、右の腰が左の腰を追い越すようにする。それができれば、自然に体重は左に移動し、右のかかとが上がって、体がしっかりと回ったフィニッシュが取れるようになるでしょう。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/岩井基剛

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