ショートよりオーバーのミスのほうがミスの度合いが大きくなる
グリーン周りのアプローチで大切なのは、落とし場所に集中することです。落とし場所を設定した時点で、そこに落としたらピンに寄る球をイメージしているのですから、もうピンを見る必要はないのです。それなのにスウィングする段階になってピンを見てしまうから、「心」が出てきてミスをしてしまう。
たとえば、練習をするときには落とし場所にティを刺して、それを狙うとよいでしょう。ボールから1~5メートル先にティを刺しておき、3番手くらいを使って、そこに落とすのです。そして、何番を使ったとき、何メートルキャリーさせたら、何メートル転がったかをチェックしておく。
こういう練習をすることで、どんな状況で、どんな番手を使い、どんな球筋を使えばいいのかを学習することができます。せっかく落とし場所と球筋をイメージできて、使う番手を決められるようになっても、狙ったところに落とせないと意味がありません。そういう意味でも、この練習はしっかりとやっておきたいものです。
![画像: 落とし場所にティを刺し、それを狙う練習をする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2018/07/10/82f9f7c3c30a96abbd06c4e2e2e1c469e7d08e12_xlarge.jpg)
落とし場所にティを刺し、それを狙う練習をする
このとき、自分はどういうミスが出やすいかを知っておくことも大切です。落とし場所を狙ったとき、オーバーとショートどちらが多いのか。左右どちらに外すことが多いのかをチェックしておくのです。
たとえば、オーバーするミスの多い人の場合、ピン奥が急傾斜でオーバーさせたくないときなどは、落とし場所を少し手前に設定する必要があります。このようにミスのパターンを知っておけばマネジメントに役立つわけです。
また、同じ1メートルのミスでも、オーバーとショートでは、ミスの度合いが違うことも知っておくとよいでしょう。落とし場所を1メートルショートした球は、狙った距離よりも1メートル弱ショートしますが、1メートルオーバーして落ちた球は、狙った距離よりも1メートル強オーバーする。
つまり、オーバーのミスのほうが、ミスの度合いが大きくなるのです。こういうことを知っておけば、ピンをオーバーするミスが許されるときと、ショートのミスが許されるときでは、落とし場所の設定や、実際に打つときの心構えが変わってくるはずです。
「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より
写真/岩井基剛