スコットランドのカーヌスティを舞台に開催されている第147回の全英オープン。日本時間日曜日午後10時45分に最終組がスタートするこの試合の見所を、現地で取材を続けるプロゴルファー・中村修が要点をまとめて教えます。

全英オープンは最終日の朝を迎えました。現在(午前7時、日本時間午後3時現在)天候は晴れ。ですが、今日は風が強く吹く予報となっています。

最終組に近づくほどコンディションはタフになることが予想され、首位と6打差の宮里優作選手あたりまで、十分にチャンスがあると言えると思います。最終組は昨年の大会王者ジョーダン・スピースと、昨年日本のダンロップフェニックスにも出場した昨シーズン新人王のザンダー・シャウフェレ。

その前を、ケビン・キスナー、ケビン・チャッペルの渋いアメリカ人二人がプレーし、その前の組にはこの大会の名実ともに主役となりつつあるタイガー・ウッズが控えます。

画像: 首位と4打差でスタートするタイガー・ウッズ。強い頃の雰囲気が戻ってきている

首位と4打差でスタートするタイガー・ウッズ。強い頃の雰囲気が戻ってきている

タイガーは、かつての自分のプレーをなぞるかのように、初日、2日目と刻んで刻んで刻み倒すゴルフを展開しましたが、3日目は一転、ティショットでドライバーを積極的に持つなど、攻撃的なゴルフを展開し、5アンダーを叩き出しました。どのラインにどんな弾道を打てばどれだけ転がってどこで止まるか。そのあたりの計算ができてきた感があり、強かった頃の雰囲気が日増しに戻ってきています。優勝も当然、ありえます。

日本人選手では、腰痛で練習日にはショットを控えてグリーン周りだけプレーしていた宮里優作選手の活躍が光ります。怪我の功名というのか、腰が痛いからこそ、大きい番手を持ち、強振せずにコントロールする打ち方が“ドハマり”している印象です。とにかく、アイアンのコントロールショットが抜群に上手い。前述したように、優勝までワンチャンスがあると思います。

画像: 首位と6打差の宮里優作にもまだまだチャンスは残されている

首位と6打差の宮里優作にもまだまだチャンスは残されている

もう一人上位でプレーしているのが今年PGA(米男子)ツアーで優勝した小平智選手。小平選手も、今まさに成長が加速している選手ではないでしょうか。トップレベルの試合の中で気づきを得て、その気づきを自分の引き出しにしっかりとしまいこみ、次の試合で活かすといった好循環が始まっているように思います。

予選ラウンドで同組だったフィル・ミケルソンも「彼は小技も上手いし、いいプレーヤーだ」と小平選手を認める発言をしていました。首位とは7打差の2アンダーから、優勝争いに絡む活躍を期待したいですね。

1オーバーの池田勇太選手、2オーバーの川村昌弘選手も、虎視眈々と上位進出を狙っています。ここに松山英樹選手がいたら……と、つい残念に思ってしまいます。

さて、優勝は誰になるかがなにより気になる点かと思いますが、正直に言って、予想が非常に難しい! 首位でもあり、勝ち方も知っているスピースが本命になるとは思いますが、本当に30人近くにチャンスが残っていると思います。

ですので、昨日足を伸ばしたゴルフの聖地、セント・アンドリュースで出会った地元キャディさん4人の優勝争いをお教えしましょう。ズバリ、トミー・フリートウッドが2票、ロリー・マキロイが1票、ブルックス・ケプカが1票。このうちケプカは3日目にスコアを落とし、優勝はほぼ無理。ですが、マキロイ、フリートウッドは首位と4打差の好位置をキープしています。

画像: 果たしてジョーダン・スピースの二連覇はなるか!?

果たしてジョーダン・スピースの二連覇はなるか!?

彼ら実力者が5つ、6つスコアを伸ばして先にホールアウトしていると、おそらくその頃に難易度の高い上がり3ホールをプレーしているであろう後続組には相当なプレッシャーがかかると思います。そのあたりの展開も含めて、楽しみにしてもらいたいですね。

写真/姉崎正

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