スコアをまとめる上で、もっともやってはいけないことはなんでしょうか? OB? 3パットや4パット? 池に入れること? 空振り? いろいろと答えが出てくると思います。上に挙げた中では、OBと空振りが「もっともやってはいけないこと」に含まれます。
100切りを目指すゴルファーが、スコアをまとめる上でもっともやってはいけないのは「同じ場所から2回打つ」ことだからです。
たとえば、ティショットをチョロして、50ヤードしか飛ばなかったとしましょう。打った人は「うわー、とんでもないミスをしてしまった!」と思うかもしれません。みんながセカンド地点に向けてカートに乗り込む中、一人“すぐそこ”のセカンド地点に向かうのは気恥ずかしいものです。
でも実はこれ、100を切る上では全然問題ないミスです。ペナルティもないし、50ヤードとはいえしっかり前進できてもいるからです。まだまだ、ボギーであがれるチャンスは十分にありますし、ダボでもハーフで3つくらいは許容範囲だからです。
一方、空振りしたとしましょう。スコアには1打が加わり、それなのに1ヤードも前進していません。さすがにティショットで空振りなんてしないという人も、OBは出るでしょう。OBの場合、打った1打に1打罰が加わり、次は3打目。1ヤードも進んでいないのに、2打も損してしまいます。ダボで上がるのも難しく、トリプルボギー、あるいはダブルパーの危険があります。
たとえばティショットが池に入ったとしても、(状況にもよりますが、多くの場合)池のふちまで前進することができます。ただ、空振りやOBはその場から一歩も前に進んでいないのに、スコアカウンターの数字だけが増えるから、問題なんです。アプローチのザックリも、同じようにもっともやってはいけないミスのひとつ。バンカーから1打で出せないのも同様です。
列挙してみましょう。
・OB
・空振り
・アプローチでのザックリ
・バンカーから脱出失敗
これらのミスは、100を切る上での致命傷になる1ホールでの大叩きの因子。もちろん、なくすべきだと言われてなくせるならば苦労はありません。シングルレベルのゴルファーでも、これらのミスを根治することはできないでしょう。ただ、減らすための方法はそれぞれあります。
一番簡単なのがアプローチのザックリです。パターを使えば、まずザックリはしないはず。「それだと寄らない」と思うかもしれませんが、ザックリ、すなわち同じ場所から2回打つよりはるかにマシです。サンドウェッジでなく、ピッチングウェッジにするだけでもこのミスは大幅に減らせます。全英オープンのように、ユーティリティを使う手もあるでしょう。
OBと空振りに関しては、スウィングに問題があるのではなくクラブ選択のミスである可能性があります。ドライバーでOBが出るなら、もっと打ちやすい番手を使う。反対側へのミスは受け入れ、徹底的にOB方向に行かない工夫をするなどの対処が考えられます。そして傾斜地や深いラフなど、空振の危険性があるライならば、やはり確実に打てる短い番手を選ぶべきです。
バンカーは、やはりクラブ選びで改善する可能性はあります。ロフトが58度以上でバウンスが10度未満のウェッジは、100を切るレベルのゴルファーには扱いにくいものですが、それを使っている人は多くいます。ロフトが54〜56度、バウンスが12度以上あるものを使うと、脱出はラクになるはずです。
ゴルフ場では、つねに前進している必要があります。同じ場所から2回打つことはスコアを守る上での大敵。そのことを忘れずに、100切りを目指しましょう!
撮影/大澤進二