ゴルファーなら誰しも一度はしたことがあるはずです。100を切るためには林の中からどうマネジメントするべき?
100を切りたいゴルファーは、林の中でなにを考えればいいのでしょうか。答えは、3オンの確率を残すことです。“次の次”のショットでグリーンを狙うために、今のショットをどう打つのがベストか。逆算のマネジメントが求められるのです。
スコアの面から100切りを考えた場合、必要となるのは9つのボギーと9つのダブルボギー。これでスコアは99となります。100を切りたいレベルのゴルファーが、グリーン上で平均2.5パットするとすれば、グリーンには3.5打で乗せたい計算になります。そこそこいいプレーができれば3オン2パットのボギー。ミスが出れば4オン2パットのダボ。そして、なんとしてもトリプルボギーは防ぐ。これがスコアリングの基本的な戦術となります。
パーオンはできたら最高ですが、できなくても問題もありません。なので、難易度が高まる傾向がある、グリーン方向を狙うショットは勇気を出して我慢するべき。ティショットでひとつミスをしてしまっている以上、2オンは不可能です。焦らず騒がず、まずは自分がタイガー・ウッズでないことを認めるべきでしょう。
最悪なのは、無理に狭いところを狙って木に当たるケース。状況は改善されず(悪くなることが多く)、次のショットでグリーンに乗せること(3オン)は絶望的。良くて4オンとなり、ダブルボギー以上がほぼ確定します。また、林から出せるかどうかも大事ですが、真横に出したはいいものの、
インパクトでゆるんで手前のラフやフェアウェイバンカーにつかまってしまっても、3オンのチャンスは大幅に減ります。
もっとも高い確率で林から脱出することができ、次打でグリーンをとらえる可能性を残すには、どこに打つのがベストか。それを考えられたら、その時点でスコアはボギー、あるいはダブルボギーで止まる確率が高まります。林の中では3オンの確率はゼロ。林から脱出できても深いラフでは確率は非常に低い。しかし、フェアウェイにありさえすれば、それは残りが100ヤードでも150ヤードでも確率は残ります。
グリーン方向でも、ティグラウンド方向でも構いません。次が打ちやすい場所かつ現在のライから安全に運べる場所を探し、そこに狙いを定めて打つのが、100切りを目指す上での林の中からの基本戦術となります。
その際、打ちやすくて上がりすぎない8番前後のアイアンで、林からの脱出をイメージした練習をしておくと、可能性をより高めることができるでしょう。それは、プロや上級者が多用する「ライン出しショット」の練習にもつながり、ゆくゆくはパーオン率の向上にもつながっていきます。プロの中にはライン出しショットの打ち方のイメージとして「林の中から脱出するときのイメージで打ちましょう」という人もいるくらいです。
また、林からの脱出で多いミスは、向こう側のラフに入るより、手前のラフで止まるミス。
インパクトをゆるめるとミスが出ますから、小さく鋭くスウィングすることを心がけましょう。
仮に強く入ってしまっても、向こう側のラフのファーストカットでは止まるはずです。そこからなら、3オンのチャンスはまだ残されているはずです。
ゴルフはスコアが少しでも良くなるほうへ可能性を寄せていくゲーム。ティショットでミスをしたなら、潔く1打を差し出す。それが、結果的にはスコアを守ることになるのです。
撮影/姉崎正