
「排水溝の上にあったので、救済しまーす!」「どうぞ~」
セカンド地点に行ってみると、ボールは排水溝の上で止まっていた。「このままでは打てないので、救済しまーす。ニアレスポイントはここだから、わかるようにティペグを刺しておこうっと」

「ドロップしまーす!」
「それでは、ドロップしまーす! えいっ」。ボールはコロコロと転がり、まさかの……!!

「あらら! ティに当たっちゃった」
「やだーっ! ニアレスポイントの目印として刺しておいたティペグにボールが当たっちゃったわ。これじゃあ、ティに当たってボールは止まってしまったことになるから……」。

「再ドロップしますね!」「おっと、待って!!」
「ドロップしたボールが携帯品に触れたときは、無罰で再ドロップしなければいけないって誰かが言っていた気がします。このティももちろん私の携帯品なので、もう一度ドロップし直さないとダメですよね?」
「ティはたしかにあなたの携帯品だけど、ドロップするときに使った場合は『動かせる障害物』の扱いになるんじゃないかな。このままティを抜いて、もしボールが動いたらリプレースするのが正しい処置だと思うけど……」
さてこの場合の正しい対処の仕方はどちら?
ドロップしたボールがティに当たった!再ドロップする?しない?
再ドロップしてはいけない。ドロップした球が携帯品に触れた場合、罰なしに再ドロップしなければならない(規則20-2a)が、球をドロップする範囲をマークするために使用中のコインやティなどは携帯品ではなく(定義16)、動かせる障害物とみなされる。そのため今回は再ドロップせずティを取り除き、球が動いた場合は罰なしでリプレースする。
週刊ゴルフダイジェスト9/25「ゴルルとルール。」より(監修・小山混、写真・姉崎正)