3パットに悩むアマチュアゴルファーは少なくない。打ち方もさることながら、3パット連発は、やはりグリーンの傾斜を読めていないことが原因である可能性が高い。傾斜が読めればパット数は確実に減る。そこで、プロがやっている正しい傾斜の読み方をレギュラーツアー30勝のレジェント・倉本昌弘の著書「本番に強くなるゴルフ」から紐解こう。

傾斜は必ず低いほうから読む

ラインを読むときには、全体の傾斜を見てから細かい傾斜を確認するのが基本です。ただし、グリーン周りをしっかり見なければいけない状況と、周りを見てはいけない状況があることも知っておいてください。

基本的には、グリーンに上がるときに、グリーンの一番高いところと低いところをチェックしておきます。ボールとカップの間の細かなラインだけを読もうとすると、読み間違えることがあるので、最初にグリーン全体がどのように傾斜しているかをチェックしておくわけです。そうすることによって、ラインがイメージしやすくなります。これが、グリーン周りを見ておくといい例です。

他にも、打ち下ろしで下りのフェアウェイからグリーンに続いているようなホールでは、見た目よりもグリーンが奥に下っているケースが多い。つまり、奥へ向かって打ったときに、意外と早かったということになりやすいので、周りをよく見ておく。そして、平らに見えたら少し奥に下っている。少し受けて見えて、やっと平らだと判断します。

夕方になって木の影が伸び、グリーン上に日向と日影が交互にできるようなときなどはラインが読みにくくなりますが、そういうときこそ、グリーン全体の傾斜をよく見るとともに、足の裏で細かい傾斜を感じ取ることで情報を収集し、読みの精度をアップさせたいものです。

また、グリーンの近くに池や建物があるときは、それを参考にします。池の水面は必ず平らだし、建物には大抵、垂直な線と水平な線がある。それを見れば、グリーンの高いところと低いところ、全体の傾斜なども把握しやすいはずです。

画像: 上りはボールの後ろから、下りはカップの後ろから傾斜を読む

上りはボールの後ろから、下りはカップの後ろから傾斜を読む

それに対して、グリーン周りに大きなマウンドがいくつもあるようなホールは、あまり周りを見ると、ラインを読み間違えやすいので注意します。マウンドのラインによって、実際の傾斜が違って見える。つまり、錯覚が起きやすいからです。こういう状況では、ボールとカップの間の細かい傾斜を見ることに集中したほうがいいでしょう。

次に、細かい傾斜の読み方ですが、傾斜というのは必ず低い側から読むことが大切です。これは上りも下りも同じ。つまり、上りだったらボールの後ろからカップに向かって傾斜を読む。下りだったらカップの後ろからボールに向かって読むのです。プロの中には、ボールの後ろからと、カップの後ろからと、両方読む選手もいますが、基本的に高い側からだと傾斜はわかりにくい。だから、私は低いほうからしか読みません。

それに、両サイドから見て傾斜が違って見えたら、どっちを信じていいか迷ってしまうし、プレーの時間だって長くなる。そうなれば、迷う「心」が出てきてミスを呼ぶ。だから、私は低いほうから読むだけでいいと考えます。後は、カップとボールからカップまでどのくらい上っているのか、下っているのかをチェックします。この場合も必ず低いサイドから見るようにしてください。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/岩井基剛

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