ドライバーの顔は性能に影響がある(ただし昔ほどではない)!
こんにちは、クラブ大好きショップ店長小倉です。さて今回は、常連さんとのやり取りでよくあるこんな話題から。
常連A「今年はたくさん新製品出たけど、どれがおすすめ?」
私「そうですね。Aさんなら〇〇ドライバーが良いと思いますよ~」
常連A「それならこないだ試打してきたけど、弾道は良いんだけどねぇ……顔がな~」
常連B「え? 〇〇ドライバーは凄い良い顔してるじゃない!?」
常連A「俺、ああいう顔ダメなんだよ~気持ち良く打てても狙った弾道が出ないんだよね~」
みなさんは、ドライバーを購入する時にクラブの「顔」、つまり形状を気にされますか? 今日はクラブの形状は使うゴルファーにどんな影響を及ぼすのか? 性能に影響があるのかをお話ししていきましょう。
結論からお話ししますと形状は性能に影響します。ですが、昔より影響力は低下しています。今回はわかりやすいドライバーでお話ししていきますね。
さて、昔はヘッドを軽く作るのが技術的に難しく、ヘッド形状がそのままヘッドの性能に色濃く反映されていました。昔と言っても20年ほど前の話です。
ヘッドの形状で良く耳にするのが「洋ナシ型」と言われる形状。ヘッドの輪郭のややトゥ側寄りにボリュームがあり、ヒール寄りはややスリムになっていて果物の洋ナシに似ていることからこう呼ばれます。この洋ナシ型ヘッドは輪郭が均等な丸型に比べ、ボリュームがあるトゥ側に重さが寄るため、重心距離が長めになりヘッドのターンが穏やかになります(画像1参照)。
つまり、つかまり性能が抑えられたヘッド性能になり、ドロー打ちのハードヒッターに好まれました。昔のクラブは、形状がそのまま性能につながりやすかったためにクラブ選びの上で「顔」はとても重要なポイントだったのです。
しかし、現代のドライバーの多くはウェートが装着されています。軽く強固なヘッドを作ることが可能になったため、余剰重量を作ることができるようになり、その余剰重量を任意のポジションにウェートとして設置できるようになりました。そうなるとヘッド形状がそのまま性能につながらなくなります。
ですが、クラブメーカーもその辺は考慮していて、形状に対して極端に異なる性能を持たせないようにしているようです。洋ナシ型なのに凄いつかまるヘッドといったモデルはほとんど見たことがありません。これなら昔からゴルフを楽しんでいた人は、そのイメージを変えずに顔でクラブを選んでも極端に違う性能のクラブを手にしなくて済みます。
では、ヘッドが大きくなりウェート付きのドライバー時代からゴルフを始めた人は、顔の好みはあまりないのか? というと、気にしないという方もいるかもしれませんが、多くの人は顔の好みを持っているはずです。それは最初に手にしたクラブ、もしくは本格的にやり始めた時に使っていたクラブに大きく影響を受けていると思います。
これは色々なゴルファーにお話を聞いて個人的に持っている考えですが、ゴルフ歴が浅いうちに成功体験を重ねた形状が、良いイメージとして残っていて似た形状のものだと安心感が生むのだと思います。ゴルフは不安や焦りなど精神面が色濃く結果に反映されてしまうスポーツ。アドレスした時に、どんなイメージが湧くかというのはとても重要な部分です。
上級者は自分のイメージする弾道が打てそうかどうか、初心者や中級者はミスのイメージが沸かないかどうか、そういった意味でも顔は立派な性能だと思います。
もちろんいくら顔が好みでも自分が打ちたい弾道のイメージとヘッドの性能が極端にかけ離れていれば、それは良い結果に繋がらない可能性が高いので、自分の求める性能を吟味しつつ、顔にもこだわるのがベストだと思います。みなさんの好きな顔はどんな顔ですか?