畑岡優勝に対する海外メディアの反応はいたってフェアだ。「ファン一番人気のナサが地元V!」と報じ、鮮やかな逆転劇を賞賛。100万ドル(約1億1200万円)がかかる最終戦CMEグルーブ・ツアー選手権の優勝候補であることも報じている。
ここ12年でTOTOジャパンクラシックで日本勢が優勝したのは07年と11年の上田桃子だけ。ときのナンバー1ステイシー・ルイスやフォン・シャンシャンら強豪選手が歴代優勝者に名を連ねる大会を19歳で制した畑岡の凄さは際立っている。
「日本で優勝した意味? すごくうれしいし誇らしいです。勝ちたいと思っていた試合に勝てて達成感は大きいです」
ショットももちろんだが今季はパッティングが好調。パーオンした際の平均パット数が1.74で全体の2位。1ラウンドの平均パット数が28.95で6位とグリーン上でのプレーが光る。
4打差からスタートした最終日も11番、12番のボギーで後退するかと思われたが13番でショットを曲げながらパーセーブに成功したシーンには本人も納得。
「ショットは良くなかったけれど(13番で)落ち着いてパーを拾えたのが大きかった」と、連続ボギーから冷静に気持ちを切り替えられた自らのプレーに成長を実感したようだ。
ウォルマートNWアーカンソー選手権に続くシーズン2勝目。今季の複数回優勝は4人目で賞金ランクは5位に浮上。世代交代が進む米ツアーでいまや押しも押されぬ主役のひとりなのである。
もっと騒がれてもいいんじゃない? と思うのは私だけだろうか。それともアマチュアで日本女子オープンを制した大器・畑岡が米ツアーで活躍するのは当たり前と映るのだろうか? 強豪揃いのフィールドでトップを張るのは難しい。頑張っている畑岡に正当な評価を贈りたい。
撮影/岡沢裕行