竹田選手は前半の8番パー3で左に外し難しいアプローチを寄せきれずにボギー、続く9番パー4ではピン奥約4mから打ち切れずに3パットのボギーで後退します。しかしパー5が3つあるサンデーバックナインに向かうと、10番パー4をバーディとすると3つあるパー5の13番をバーディ、16番でイーグル、18番でも2オンし、20ヤードほどのイーグルパットをしっかりとヒットし、1m強のバーディパットを決め、67でホールアウト。15アンダーまでスコアを伸ばし同組のマリナ・アレックス選手に追いつきプレーオフに突入します。
一方のマリナ・アレックス選手はツアー2勝の34歳。ステディなゴルフで6バーディノーボギーのプレーで15アンダーまでスコアを伸ばしていました。飛距離のある竹田選手と安定感のあるステディなゴルフのアレックス選手という対照的なプレーヤーのプレーオフになりました。
18番ホールで行われたプレーオフ1ホール目はアレックス選手はフェアウェイからレイアップし、3打目をピン奥2mに。竹田選手は右の枯れた芝の上から3Wを振り抜き花道に運びアプローチで約4.5mにつけます。竹田選手がバーディを決めると、アレックス選手も入れ返して、2ホール目(もう一度、18番ホール)に向かいます。
竹田選手はFWから右のバンカーに入れ、アレックス選手は3打目をピン左奥に約3mに付けると竹田選手はバンカーから3.5mに寄せます。このパットはお互いに決めることができずに3ホール目の13番パー5へと向かいます。
竹田選手のティーショットは左の木に当たって戻り左のラフ。アレックス選手はフェアウェイからレイアップするも左のバンカーに入れ、76ヤードを残します。竹田選手も同じバンカーに入れ、残り84ヤード。時間も16時を過ぎグリーンの芝も伸びて遅くなっているのでしょう、二人とも10m以上のバーディパットからショートし約2m残した竹田選手がパーでしのぐと、アレックス選手もパーパットを決め譲りません。
舞台を再び18番へと移すとフェアウェイからレイアップのアレックス選手は3打目をピン手前に落ちるとバックスピンで戻り7~8m。竹田選手は48ヤードの3打目をピン右横1.5mへと寄せます。アレックス選手はショート、竹田選手はこれを決めて優勝かと手に汗握りましたが、決めきれずにパーとし、プレーオフ5ホール目の13番へと向かいます。
プレーオフ5ホール目の13番パー5で右のラフからレイアップしたアレックス選手。対して竹田選手はフェアウェイから残り202ヤードの2打目をセンターやや奥に切られたピンに対して左手前12mにナイスオン。イーグルパットは約2mショート。
アレックス選手はピンまで73ヤードからラインを外さず、奥からバックスピンで1ピンに寄せますが、これが決まらずにパー。二人ともグリーンが重くなっているせいでボールも思うように転がってくれないようです。
竹田選手はピン下から2mのウイニングパットを外し、再び18番ホールへと向かいます。
6ホール目、最終日通算24ホール目となったこのホール。アレックス選手は98ヤードからピン方向、やはりバックスピンで少し戻り3mを決められずパー。竹田選手は3打目をピン左横1m少しに寄せたウイニングパットをしっかりと決め、見事に米LPGA公式戦の優勝を手にし、長かった6ホールのプレーオフを終え、米女子ツアーLPGAの2年間のシード権を手にしました。
12月に予定していた予選会(Qシリーズ)に行く必要がなくなったことで、恐らくJGTO、PGAシニアツアー、JLPGAの混合試合であるスリーツアーズで竹田選手のプレーが見られることでしょう。
飛距離と方向性、100ヤード以内、パットも確実にレベルアップした竹田選手の米女子ツアーでの活躍に期待も膨らみますが、叔母で2年連続賞金女王で米女子ツアーでも戦った平瀬真由美さんは「自分の実力を試しに行くのではなく、国内ツアーでやってきたようにイチからやり直すくらいの気持ちで挑戦して欲しい」と話します。
コースの違いや移動距離、選手層の厚さなど国内ツアーとは異なる環境でどんな姿を見せてくれるのでしょうか。国内ツアーは残り「伊藤園レディス」、「大王製紙エリエールレディス」、「JLPGAツアー選手権リコーカップ」の3試合となりました。竹田選手の年間女王獲得と熾烈なシード権争いにも注目していきましょう。
写真/大澤進二