飛距離180ヤードでも70台でプレーできるのはなぜ?
とある女性ゴルファーの話です。ジュニアゴルファーだった彼女は、ベストスコア60台という凄腕ながら、競技から距離を置いて社会人となった今、飛距離が落ちて平均は約180ヤード。それでも70台で回ってきます。
180ヤードというと、平均的な男性アマチュアゴルファーの飛距離とほぼ同じではないでしょうか。
「俺はもっと飛ぶぞ!」と思うかもしれません。たしかに、平均的な男性ゴルファーの芯を食った当たりはときに250ヤード級の飛距離を叩き出すでしょう。でも、50ヤードしか飛ばないチョロやテンプラ、チーピンにスライスといったミスを合算したら?意外と180ヤードくらいが現実的であることがわかると思います。
では、「常に安定して180ヤード」打てるのと、「250ヤードもあれば50ヤードも180ヤードもある」結果として平均が180ヤードの場合と、どちらがスコアメークしやすいでしょうか。答えはもちろん前者です。
冒頭の女性ゴルファーの話に戻ると、とあるパー5、彼女はこのように攻めました。1W→5W→5W→PW。ドライバーのあと、5番ウッドを2連発。そして、グリーンを狙うショットでピッチングウェッジを手にしたという攻め方です。
「なんで3番ウッドを使わないの?」と思うかもしれませんが、3番ウッドだと確率が下がるから、
無理せずに5番ウッドを選んだというのです。上級者がいかに確率を重要視しているかが、この攻め方からもわかります。そして、飛距離は180ヤードでもこうすればパーが獲れるし、ショートゲーム次第で70台のスコアも出せます。
もちろん、ゴルフは急に上手くはなりません。この女性のように、「つねに180ヤード」といった再現性は簡単に得られるわけではありません。
しかし、たとえばセカンドショットでひとつ飛ばない番手でも、確率の高いクラブを選ぶ。練習場では、飛距離を追求するのではなく、なるべく出球の方向と曲がり幅が揃うように意識して練習するなど、工夫次第で「いつでも180ヤードのゴルフ」に自分のゴルフを近づけることは可能です。
そして、腕前が上がっていけば飛距離もアップし、「いつでも250ヤードのゴルフ」を目指すことができる。そんな夢も追い求められるのではないでしょうか。
(『100切りマネジメント研究所』より)
写真/増田保雄