パク・ソンヒョンはかねてから私がとくに注目しているプレイヤーだ。2018年シーズンはLPGA賞金ランキング3位でなかなかの好成績だったと言ってよいのではないだろうか。
彼女の特徴と言えば172センチの長身から放たれる飛距離だ。2018シーズンの平均飛距離ランキングは269.8ヤードと6位で、トップのヤニ・ツェンとの差は5ヤードほどしかない。長身ではあるが細身な彼女はその飛距離を出すにあたって様々なテクニックを使っている。
その一つはやはりロングヒッターに多く共通してみられる強い捻転を生みだす下半身リードの切り返しだ。私は分かりやすく様々なゴルファーを比較するために、その比較方法、基準値を設けるようにしている。そして、どれほど下半身リードで捻転差を生み出すことができているかを比較するにあたっては、飛球線真後ろからスウィングを見たときの右ひざが左ひざと一直線になる瞬間が、スウィングのどのタイミングに訪れるかがポイント。両ひざがそろったときに腕がどこにあるのか? このバランスを確認している。
当然、両ひざがそろったときに腕がまだトップポジション近くに残っているならば、それはかなり下半身始動で捻転差をつくれている状態だ。その傾向が強い代表的なプレーヤーが、ミッシェル・ウィー、レクシ―・トンプソン、男子ではタイガー・ウッズ、キャメロン・チャンプ、ロリー・マキロイ、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、トミー・フリートウッドなどのロングヒッターたちだ。
パク・ソンヒョンもかなり強く捻転が使えており、両ひざがそろうタイミングでの腕の位置は耳の高さで、ポジションも右肩よりも左にしっかり残っておりインサイドからしっかりクラブが下りてくることを暗示している。
これを真似するのは難しいが、比較的簡単で、かつアマチュアにも非常に参考になる彼女の特徴がある。それはトップポジションだ。彼女はアドレスからトップにかけてしっかりと右サイドに体重を乗せ、そして柔軟性を活かしてしっかりと肩を回し切るのだが、その割にトップでシャフトは地面と平行までいかずコンパクトに収めている。
アマチュアの多くは遠くに飛ばそうとして肘をまげ、コックを使いオーバースウィングになりやすいが、それだと飛距離を出す上でアマチュアにとってもっとも重要と言えるミート率を犠牲にしていることになる。
パク・ソンヒョンのようにコックを弱くし、ショートトップを意識してみると、ミート率が上がり飛距離アップにつながるだろう。トニー・フィナウ、ジョン_ラームなどショートトップでもかなりの飛距離を出すプレーヤーは少なくない。ぜひ、参考にしてみると良いだろう。