クラブの恩恵、「叩かない」スウィング、得意コースの存在……
日本のゴルフ界では、パーシモンからメタル、メタルからチタンへの移行が上手くいかなかったというプロゴルファーが多くいます。もちろん、谷口徹プロや藤田寛之プロなど、50歳前後で活躍している方もいますが、割合としてはやや少ない。それに対して、アメリカをはじめ海外選手の場合、その溝があまりないんです。
最新クラブ、そしてボールの恩恵を受けている。それが、40歳、50歳でも若者と一緒に第一線で戦えている最大の理由です。
そして、クーチャー、ミケルソンらに共通しているのが、インパクトで強く叩かないスウィングです。ラブ三世も、プラヤド・マークセンも、インパクトがゆるやかで、とくにドライバーでハードヒットしません。そのことによる怪我の少なさも、活躍できる理由です。怪我から復帰したタイガー・ウッズも、以前のハードなスウィングから、ストレスの少ないスウィングに上手くモデルチェンジしています。
最後の理由はフィジカル面。クーチャーやスチュワート・シンク、ラブ、ミケルソン、タイガー……やはりみんな身長190センチクラス。体が大きいということは腕が長く、必然的にゆったりとしたスウィングになりやすいことも、“長持ち”の理由だと思います。
また、ベテランには「自分はこのコースと相性がいい」という確固とした得意コースが存在します。得意なコースでキッチリ結果を出せるのも、またベテラン選手の味であり、若手に対する明確な優位性だと言えるでしょう。
まとめれば、最新ギアを使いこなせていること、ストレスフリーなスウィングをして、怪我が少ないこと、そして自分の得意なコースを知っていること。これらが、40代以上の選手が活躍できる条件と言えそうです。アマチュアの方でも、全部とは言わずとも、自分のゴルフを“長持ち”させるためのヒントがあると感じられるのではないでしょうか。
大型ヘッドの使い方を以前よりイメージできてきた感のあるタイガー、そしてゴルフに錆びる様子が見られないミケルソン、この二人は2019年のうちにきっと勝利を挙げると思います。彼らを筆頭とした40代、そして50代プレーヤーが何勝できるのか。同じ40代として、楽しみにしたいと思います。
撮影/姉崎正