女子ツアーでは「すそ出し」が当たり前だが……
PUMAのウェアのすそを出し、涼しげにプレーをするファウラー。一瞬、「これってルール的に大丈夫!?」と思ってしまうが、もちろん事前にPGAツアーに確認を取り、しっかりと許可を取った上で着用しているのだという。ルールは守るが、そのギリギリは攻める。このあたり、ファウラーらしい。
最近では、練習ラウンドに限っては短パンでのプレーを許可する場合があったり、エリのないタイプのゴルフウェアでプレーする選手がいたりと、PGAツアーの服装規定も以前に比べて寛容になってきたという印象がある。
ゴルファー人口の世界的減少が危惧されるなか、より取っつきやすく、カジュアルなイメージを発信するのは大切なこと。とはいえ、「すそ出しはだらしなく見える」という意見も当然ながら根強くある。昨年「みんなのゴルフダイジェスト」が実施した「ポロシャツすそ出しアリ? ナシ?」と題したアンケート結果によると、
「アリ」と答えた人は全体の35%。「ゴルフウェアで、すそ出しを前提としたデザインならアリ(条件付きでアリ)」と答えた人が50%。「ナシ」と答えた人は15%(総回答数2368)で、すそ出しを肯定する意見が大勢を占めていた。
実際、女子ツアーに目をやれば、多くの女子プロが当たり前のようにすそ出しでプレーしている。この結果や、今回のファウラーの「すそ出し」での世界最高峰のツアーでのプレーという既成事実を鑑みるに、今後ゴルフウェアのすそ出しを含めたカジュアル化の流れは止まらないようにも思える。
ジャケットを着用し、ネクタイをしてプレーするプレーヤーが(一部の愛好家を除いて)ほとんどいないことを考えれば、時代とともに服装が変化していくのはむしろ自然と言えるのかもしれない。ただもちろん、現状ではプレーするゴルフ場のドレスコードに従うのが当然だ。
さて、最後に念のため、20代のゴルフ女子に、少々切り口を変えて、「おじさんゴルファーのすそ出し、どう思う?」と意見を聞いてみたところ、「リッキー・ファウラーだったらアリだけど、オジサンの場合フィニッシュでお腹が見えるのはちょっと……」という回答を得た。
「アリか、ナシか」のルールの前に、相手を不快にさせない服装を心がけるべしというのがマナーの基本。ゴルフにおけるウェアのマナーは、奥が深い。