フェニックスオープンが開催されるTPCスコッツデールの17番ホールは332ヤードとワンオン可能なパー4。初日、松山英樹は見事バーディを奪ったホールだ。このホールをウォッチしていたゴルフスウィングコンサルタント・吉田洋一郎が、PGAツアーのトップ選手も苦しめるこのホールの攻略法を取材した。

松山英樹がファーストパットを4、5メートル残した深い理由

グリーン左サイドに池が広がるこのホールで、チャンプ、そして同組のジャスティン・トーマス、ウェブ・シンプソンの3人全員がティショットを池に入れたんです。チャンプはスプーンを持ってフック。トーマスとシンプソンは、ドライバーでそれぞれ池ぽちゃ。

PGAツアーのトップ選手が3人とも池。正直、「左じゃなくて右に打てばいいのに。なに考えてるんだろう?」と素朴な疑問を感じました。

その考えが間違いだと教えてくれたのが、丸山茂樹プロのキャディとして長くPGAツアーを戦った杉澤伸章キャディなのですが、その話をする前に、このホールを松山英樹プロがどうプレーしたかをレポートします。

画像: TPCスコッツデールの17番ホール、パー4の戦略を教えてくれたのはゴルフネットワークの仕事で取材中の杉澤伸章キャディ

TPCスコッツデールの17番ホール、パー4の戦略を教えてくれたのはゴルフネットワークの仕事で取材中の杉澤伸章キャディ

さて、大スターであるフィル・ミケルソンと同組でプレーした松山選手ですが、このホールのティショットはドライバーを持って右にフカしてしまいます。一方、ミケルソンはグリーン左手前にレイアップしていました。

ミケルソンが左手前からふわっと上げて1メートルに寄せたのに対し、松山選手はアプローチがベタピンとは行かず、4、5メートルほどショートします。「今のはミスかなあ」と、正直思いました。

その心境を察してか、そのとき一緒に歩いていたゴルフネットワークの仕事で取材中の杉澤さんが「あれで十分なんです」と、このホールの攻め方を教えてくれました。以下に再現します。

「このホールで奥にピンが切られた場合、ピンの左は池に向かって傾斜しています。その傾斜にかかると池まで入る危険性があるため、松山選手のボールはその危険のないあの位置で十分。ティショットを右に外した時点で、あれがベストの選択と割り切っていたんだと思います。一方のミケルソンは、グリーン左サイドから攻めたことでピン左の傾斜が気にならず、突っ込むことができたんです」(杉澤さん)

画像: 17番のグリーン図、奥ピンの場合、左サイドは池に向かって傾斜しているから右サイドから攻めるのは難しい

17番のグリーン図、奥ピンの場合、左サイドは池に向かって傾斜しているから右サイドから攻めるのは難しい

なるほど……! と目からウロコが落ちました。これで、チャンプの組の3人が全員池に入れたのも納得です。このホールのこのピンポジでバーディを奪うには、グリーンの左サイドを獲る必要があったわけです。「右に打っておけばいい」は完全なる勘違い。万が一右奥に外した場合、手前はバンカーで、池に向かう下り傾斜に向けて打つことになってしまいます。

杉澤さんは、それらを全部理解した上で、右に外した松山が、下り傾斜にかからない位置でボールを止めたアプローチに対し「あれで十分」とコメントしたわけです。コースを知り、プロの戦略を知る人だからこそのコメントです。

画像: 右へティショットを外した松山はその時点で攻め方を変え、バーディ。見事なマネジメントを披露した

右へティショットを外した松山はその時点で攻め方を変え、バーディ。見事なマネジメントを披露した

ちなみにその17番ホール、ミケルソンはバーディパットが入らずパー。松山選手は4、5メートルのバーディパットを見事に沈めてバーディ。思わず、杉澤さんがキャディをしているわけではないのに「これぞ、杉澤マジック!」と思ってしまいました(笑)。

※2019年2月2日8時38分、内容を修正しました

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