「手元よりヘッドが外側で、フェース向きと前傾角度が平行」が正解
河本がUTでショット練習をしているとき、目澤コーチはしきりに飛球線後方から目を凝らして、スウィングをチェックしていた。テークバックをしてクラブが水平になった辺りで、ヘッドがどの位置にあるかを確認しているという。
「このときに、手元よりヘッドがやや外側に上がっていると、ヘッドの重さを感じられるし、クラブがプレーンに乗るんです。そして、前傾した上体とフェースの向きが平行=フェースがスクェアになっていることが分かります」(目澤)
ところが河本は、試合で緊張する場面やプレッシャーがかかったときなどに、ハーフウェイバックでヘッドがインサイドに上がるクセがあるという。
「苦手なロケーションに来たときやトップを守らなきゃいけなくて超ドキドキしているときに、そのクセが出ちゃうことがあります。100ヤードとか短い距離やクラブじゃなくて、175ヤードとか長い距離とクラブになるとそうなりやすい。下半身が止まって、クラブを手だけでサッと上げちゃう感じです」(河本)
この動きについて目澤コーチは解説する。
「アマチュアの人にも多いのですが、ミスをするときはクラブがインサイドに上がってヘッドが落ちてしまいます。これではクラブがプレーンから外れるし、フェースが開いてしまう。そのまま打つと球が右へ飛んだりダフったり、それをイヤがってクラブを上から入れてシャンクしたりカットスライスになったり。テークバックのときに手は真っすぐですが、ヘッドは少し遠くへ外めに上げていくイメージが良いですね」(目澤)
河本も話していたように、とくにウッド系のクラブはヘッドの重心距離が長くて重心深度が深いし、クラブが長くてバランスがヘッド寄りになるので、テークバックのときにクラブが後ろに倒れる方向へ持って行かれやすい。
だからこそ、手とクラブが作る角度を保ちながらヘッドを“やや外”に上げる意識を持つことで、クラブが寝たりヘッドが垂れることなく適正なポジションに上がっていく。
「昨年に勝ったステップ・アップ・ツアーの試合でも、トップタイで迎えた17ホールで左に引っかけてグリーンを外したことがあります。プレーしている最中は必死なので、緊張するシーンでは細かいことが重なってそういうミスが起きる、ということを学んだ1年でした。課題が見つかったので、それを直すように取り組んでいます」(河本)
撮影/有原裕晶