畑岡奈紗、リディア・コーがやってるバランス感覚を刺激するエクササイズ
畑岡奈紗、リディア・コーといった、私の契約プロたちはみな、練習をする前や、スタート前にエクササイズを欠かしません。もちろん一般アマチュアの方にも有効な方法ですし、下腹の出た中年太りにも効果がありますので、ぜひ試していただければと思います。
これからやる「体幹」部分に刺激を入れるエクササイズは、とくにインナーマッスルを鍛えることで腰回りや背骨といった体の土台の部分がしっかりさせ、結果的にフォームが安定しパフォーマンスを上がるといった効果があります。
体幹とは体の胴体部分のことですが、体幹には体の表面に近いところにあるアウターマッスルと深い所にあるインナーマッスルがあります。アウターマッスルは腹直筋、外腹斜筋、広背筋などで、パワーを発揮し大きな動きをつくるのが主要な働きです。
一方のインナーマッスルは、背骨と直接つながっているモノが多く、体の姿勢保持に影響を与えています。代表的なものに腹横筋、多裂筋、大腰筋、内腹斜筋などがあります。
ただし、インナーマッスルを鍛える場合、高い負荷はあまり必要ありません。理由は、負荷が強いとアウターマッスルをメインで使うことになり、インナーマッスルのトレーニングにならないからです。リディア・コーや畑岡奈紗プロのツアー中のエクササイズも、チューブや空気を入れるディスク、水を入れて使うような携帯しやすい低負荷のものを利用してやっています。
では、バランス感覚を刺激するエクササイズをいくつかご紹介しましょう。
●片足立ちで『ハンドニー』
直立姿勢から片足立ちの状態になります。次に腰を90度に曲げ、同時に両腕を前後に広げ、浮かせた片方の足と共に水平の位置で真っ直ぐに伸ばします。数秒間停止してから元の姿勢に戻ります。これを5回繰り返します。
床に片ひざと片手を着き、逆側の手足を水平に保つ「ハンドニー」という体幹トレーニングの片足立ちバーションです。一見、楽に見えますが、体のバランスを保ってコントロールするために体幹部分の細かい筋肉全体に刺激が入りますし、アウターマッスルのお尻の筋肉にも刺激が入ります。
●片足立ちで「エアプレーン」でツイスト
直立姿勢から片足立ちの状態になります。両腕を大きく左右に広げながら、腰を45度くらいに前傾させます(エアプレーン)。エアプレーンの状態から腰を左右にツイストしていきます。このときにひざを曲げることなく、真っすぐに保ちましょう。ツイストを10回ほどしたら元の姿勢に戻ります。これを5回繰り返します。
先ほどのモノよりツイストが入るので難易度が少し上がりますが、左右にツイストすることで太腿筋やお尻の筋肉などにさらに刺激を加えることができます。
●バランスディスク上で片足立ちでツイスト
バランスディスクの上に片足を乗せ、アドレスの姿勢をとります。次に、地面に着いていた足を上げ、ディスクの上で片足立ちの姿勢を保持します。それができたら、片足立ちの状態で、腰を細かく左右にツイストさせます。ツイストを10回行ったら、片足立ちの足を替えます。
片足立ちでインナーマッスルに刺激を入れて、次にツイストすることによってさらに細かい部分にも刺激が入ります。もしバランスディスクの上で片足立ちをするのが難しければ、床の上で行ってみてください。
●バランスディスクで片足立ちのシャドウスウィング
バランスディスクの上に片足を乗せ、アドレスの姿勢をとります。次に、バックスウィングをしていくにつれ、片方の足を上げていきます。そしてトップのポジションにきたら片足立ちになり2~3秒静止し、足を地面に戻します。これを5回やったら、足を入れ替えます。
バランスディスクに乗った状態で体を捻り、股関節にしっかり体重を乗せた状態でバランスをとることで、腰回りのインナーマッスルに刺激を入れて行きます。これも同様に、ディスクの上で難しい場合は、床の上で行っても構いません。
背骨や腰回りを支える役割を果たしているインナーマッスルが衰えると、猫背になったり腰痛になりやすくなります。下っ腹が出てくる中年太りも、腹横筋などの筋力が衰え内臓の重さを支えられなくなったことの現れですので、これらのエクササイズをゴルフの日に限らず、毎日行うことで姿勢が良くなり健康やダイエットにもつながると思います。
その意味でも、最初は難しくても繰り返し行うことでスムーズにできるようになってきますから、少しずつでも毎日やることをおすすめします。