「クローグリップ専用グリップ」まで登場
気温20度を超えポカポカ陽気の沖縄・琉球GCの練習場で目立ったのは、クローグリップでパッティングを行う選手たち。吉田弓美子、原江里菜、堀琴音らがこのグリップで練習する姿はプチブームといった印象だ。なんと、グリップメーカーのスーパーストロークからは、クローグリップ専用のグリップまで登場したという。

クローグリップで練習する吉田弓美子
クローグリップのクローとは「かぎ爪」のこと。左手は普通に握り、右手は獲物をつかむ猛禽類のようにグリップを上から持つのが特徴のグリップだ。最近だと、セルヒオ・ガルシアがこのグリップでマスターズを制したのが記憶に新しい。世界ランク1位のジャスティン・ローズもこのグリップだ。

今季巻き返しに期待がかかる堀琴音もクロー女子
さて、なぜクローグリップの選手が増えているのか。パッティングの指導に定評のある大本研太郎コーチは言う。
「ガルシアはじめ、いろいろなプロが様々なグリップをしてきたことで、グリップの形に縛られなくなっています。順手のグリップはドライバーショットなどで大きな出力が得られる一方、小さく出力するのが難しい。それに対して右手の感覚を消せるクローグリップは、それがやりやすいんです。それに、右手首が折れないことでインパクトが安定し、距離感、方向性も合わせやすいというメリットもあります」(大本)

原江里菜もクロー
大本によれば、ショートパットだけでもクローグリップにするメリットはあるという。ロングパットは順手で握るというやり方でも問題はない。また、インパクトで打ち切るように、フォローを大きく出さないことが打ち方的なコツだ。

スーパーストロークからはクロー用のグリップまで登場。右手部分が四角く平らになっていて、右手を添えたときに安定するようにデザインされている
開幕戦のグリーン上で、クロー女子たちは躍動するか……?
撮影/三木崇徳